日本サッカー協会(JFA)は2月15日に行われた理事会で、2020年度から2022年度にかけてS級ライセンス講習会を受講していた9人のライセンスを認定。今季からジェフユナイテッド市原・千葉で監督を務める小林慶行氏などが資格を取得し、Jリーグクラブで指揮を執る権利を得た。そんな中、認定を受けるには莫大な費用が必要となることが関係者の話で明らかとなった。
協会が発表した2024年度S級ライセンス講習会開催要項によると、受講料は55万円で、これには国内短期講習、最終指導実践での宿泊費・検定費用が含まれている。しかし、取得のために必須となる海外でのインターンシップや、合計で約60日にも及ぶ国内集中講習にかかる費用は含まれていない。S級受講者と繋がりが強いサッカー関係者によると、宿泊費や交通費等合わせると、総額で200万円以上が必要になるという。
しかし、Jリーグクラブに在籍している指導者はクラブから補助を受けることできるため、高校や大学などで指導している受講者に比べると、大幅に負担を減らすことができるとのこと。
なお、講習会は4月、6月、8月、10月、11月に開催され、4日~6日間連続で11回に分けて行われる。その日数は、国内だけで合計60日間にも及ぶ。
また、元日本代表MF中村憲剛氏は、オフィシャルブログで昨年12月15日に2023年度S級ライセンス講習会の全過程を終了したこと明かし、以下のように綴っている。「通常の講習会と間の学習で指導実践を繰り返し、課題もプレゼン資料を作ったり、プレシーズン・インシーズンの週間スケジュールを作ったりと、この1年間は大袈裟ではなく頭の中がS級のことで占められる割合や時間は多かったと思います。今年の自分の中心軸は間違いなくS級でした」
やはり講習会のがない期間でも、指導実践や資料作成等で相当な時間を費やすようだ。そのため、他に仕事をこなしがらの資格取得はかなりの負担がかかるとのこと。
Jリーグクラブで監督をするために必要な国内の最上級資格だが、元日本代表FW本田圭佑氏は自身のXで「プロの監督になるためにライセンスは必要ない」と、複数回に渡って投稿している。これに対し、サッカーファンからは賛否両論の声が寄せられている。
今後、日本でライセンス制度が改革されることはあるのだろうか。