自家用車を維持するためには保管場所が必要であり、多くの方が自宅の敷地内やその近辺の駐車場に車を保管していると思われます。しかし駐車場の配置などの環境的な問題や、騒音問題をはじめ、車をめぐって近隣住民とトラブルに発展してしまうケースもあるようです。
今回はドライバーの方々に、「車にまつわるご近所トラブル」について話を聞きました。
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純正オプションのマフラーが近所迷惑に?
いつも敷地からはみ出しているあの車
純正オプションのマフラーが近所迷惑に?
ご近所トラブルとして多く見られるのが「騒音トラブル」です。騒音には生活音やオーディオなどさまざまな原因が考えられますが、車についてはやはり「排気音」が問題になるケースが想定されます。
「数年前に海外メーカーのスポーツモデルを買いました。見た目は普通のハッチバックなのに、走りは刺激的なところが気に入ったんです。
とくに試乗車に装着されていたオプションのマフラーがいい音で、営業からも『こういう車は五感で楽しむのが醍醐味ですよ』『車検にも通りますし、改造車のようにけたたましい音が鳴るわけじゃありません』と強く推され、装着することに決めました。
ですがいざ納車されると、試乗のときより音が大きく感じて……大通りに面したディーラーの敷地での響き方と、住宅街での響き方はだいぶ違ったんです。
なるべく迷惑にならない時間帯に乗るようにしていましたが、残業で帰りが夜10時くらいになる日が続き、とうとうお隣さんから音について指摘されてしまって。『結構音が響くんですね』みたいな遠回しの言い方ではありましたが、やはり迷惑だよなぁと思い、それ以来帰りが遅くなる日には表通りのコインパーキングに止めるようになりました」(50代男性)
純正オプションに採用されているマフラーであれば、基本的に「車検に通る製品」であるため、騒音面でも問題ないと思えるかもしれません。しかし車検に通るからといって、音が響かないわけではなく、車種によっては純正状態でもかなりの重低音がするものもあります。
お隣の建物が自宅の駐車スペースに近接しているなど、排気音が周囲に響きやすい環境にある場合はとくに、排気音が大きめの車を選ぶ際には注意が必要なのかもしれません。
いつも敷地からはみ出しているあの車
私たちが普段利用している道路の多くは、国や地方自治体が管理している公道です。しかし道路には公道のほかにも、個人や法人が所有する「私道」があり、その道路に隣接する土地の持ち主に所有権が属しているケースも少なくありません。
「向かいの家がしばしば道路にはみ出して駐車しています。その家の車自体は車庫に収まっているのですが、週に2日くらいのペースで親御さんが来ているようで、そのたび無理やり玄関前のスペースに縦列に止めて、50cm以上はみ出しているんです。
前の道路は私道で、4mしか幅がないので、その状態だと駐車がかなり難しくなってしまいます。ただ毎日のことではないし、滞在時間も長くて半日程度なので、『私道だし文句を言って関係が悪くなるのもな……』と何も言わずにきてしまっています。
いっそのことこっちも実家の親などを呼び、はみ出して止めてやろうかとも思いますが、周りへの迷惑を考えると実行には移せないですね。なので毎回やっているお向かいさんは、かなり神経が太い方なんだろうなぁと思っています」(40代女性)
私道の共有や分有がどのようになされているのかによっても異なりますが、基本的に「私道を所有者たちがどのように利用するか」については、当事者間で解決すべき民事上の問題として扱われます。
互いが互いの迷惑にならないよう配慮しあえている状況であれば、このような私道のトラブルは生じにくいと考えられますが、私道を共有・分有している権利者の1人でも「周囲に影響を及ぼす使い方」をしはじめると、なかなか解決しにくいのが私道の難しいところです。