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街中を走る車のほぼすべてがオートマ車
「車好きならマニュアル車」と考える人は多い

街中を走る車のほぼすべてがオートマ車

「MTよりATのほうが好きだなんて言えない…」本当に“車好きならマニュアルに乗るべき”なのか?
(画像=©Keisuke Wakao/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

速度にあわせて自動で変速をしてくれるオートマチック・トランスミッション(AT)やCVTを搭載する車や、そもそもトランスミッションを持たない電気自動車とは違い、マニュアル・トランスミッション(MT)の車は速度にあわせてギアをドライバー自身が選択する必要があります。

右足でアクセルを踏み続けるだけで加速してくれるAT車などとは違い、MT車は左足でクラッチペダルを踏んで、左手でギアを選んで、右足でアクセル開度を調整して、左足をペダルからゆっくり離して…といった作業を、発車から停車まで延々と続けなければなりません。

昭和の時代にはMT車とAT車の普及率は半々くらいでしたが、平成に入ってからATの技術が急速に発展。2000年にはAT車の普及率が90%を超え、現在に至ってはほぼ99%がAT車。MTの設定があること自体をセールスポイントとして押し出されるモデルもあるほど、MT車は希少なものとなり、今日では「MT車は絶滅するのでは?」という声も挙がるようになっています。

「車好きならマニュアル車」と考える人は多い

「MTよりATのほうが好きだなんて言えない…」本当に“車好きならマニュアルに乗るべき”なのか?
(画像=©望菜 竹内/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

MT車は希少なりつつありますが、それでも現在の新車ラインアップにおいてMT車が選択できるモデルは少ないもののまったくないわけではありません。

主にスポーツカーなどでマニュアル・トランスミッションが採用され続けており、中にはAT車よりもMT車のほうが販売比率が高いというモデルもあるため、その「ひと手間」こそが価値だと考える人も少なくないことがわかります。

前述のとおり、手動で変速操作を行う必要があるMT車はそのときの車の状態や周囲の状況に応じて、自らで最適なギアを選択し続けなければなりません。車は移動手段の道具であるという前提で考えれば、そういった操作を自動で行うAT車のほうが、道具としては便利だと言えるでしょう。

それでもMT車を選ぶのは、人によってさまざまではあるものの、「運転が楽しい」「自分で操作している実感がある」「ATよりも直感的」など、感覚を重視した理由が共通していることがほとんど。

そのため、「便利さではなく感覚を重視した車選び」をする人が「車好き」な人だと言われることが考えられ、「車好きならMT車」ということが車好きの間では常識とさえなっていることも見られます。

いっぽうで、車が好きであるように見える人がAT車に乗っていると「意外」「なぜ?」といった反応があることも珍しくなく、車好きを自認していながらAT車に乗っていることに引け目を感じる人は少なくないようです。