かつて浦和レッズでプレーしていた日本代表DF橋岡大樹は、今年1月にベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)からプレミアリーグ(イングランド1部)ルートン・タウンへ完全移籍。ベルギーメディア『Voetbal』が16日、橋岡移籍の背景を説明しているほか、STVV立石敬之CEO(最高経営責任者)の言葉を伝えている。
2021年1月に浦和レッズからSTVVへ移籍した橋岡は、海外挑戦1年目から右サイドバックでレギュラーに定着。以前からステップアップ移籍への思いを持つ中、今冬に日本代表FW浅野拓磨擁するVfLボーフムをはじめ複数クラブからの関心が取り沙汰された。
一時はイングランド2部リーズ・ユナイテッド移籍間近と報じられた橋岡だったが、移籍ウィンドウ最終日の1月31日にルートンへの加入が正式決定。欧州の移籍市場の詳しいファブリツィオ・ロマーノ記者によると、移籍金は200万ユーロ(約3億2000万円)だという。
『Voetbal』によると、立石CEOは「橋岡の貢献に感謝しています。彼はこのクラブで3シーズンにわたりプレーしてくれました」とコメント。「多くのクラブが、今冬の移籍ウィンドウで選手を放出せざるを得ませんでした。ベルギーリーグの新たな財務ルールにより、どのクラブもリスクを負いたくないと考えているようです」とベルギー国内クラブの傾向に言及した上で、「STVVはつねに財政面での安定化に取り組んでいます」と健全なクラブ経営を強調した。
また同メディアは「STVVはGKシュミット・ダニエルの退団により、人件費が増加することはない。橋岡の放出により200万ユーロを稼いだ」とした上で、「STVVは選手の放出により、財政面の管理に努めている」と綴っている。
なおSTVVは今月1日、昨年7月に浦和から期限付き移籍により加入していた日本代表GK鈴木彩艶の買い取りオプション行使を公式発表している。ただ鈴木の去就については、『Voetbal』が今年1月に「彼がわずか1年でSTVVを離れる可能性は十分にある。すでにベルギー国外クラブから関心を寄せられている」と、ステップアップ移籍の可能性を報道。STVVは鈴木の放出により、巨額の資金を手に入れるかもしれない。