ネイマール 写真:Getty Images

 V・ファーレン長崎は今月15日、下平隆宏ヘッドコーチの監督就任、およびファビオ・カリーレ前監督とコーチ3名からの契約破棄に伴う違約金等の請求に関して、国際サッカー連盟(FIFA)への提訴完了を公式発表。ブラジル2部サントスへの批判が相次ぐ中、同クラブはサウジアラビア1部アル・ヒラル所属のブラジル代表FWネイマール再獲得に動く可能性があるという。

 現在32歳のネイマールは2009年にサントスでプロデビュー。18歳でのブラジル代表デビューや2度の南米年間最優秀選手賞により注目を集めると、2013年5月にサントスからバルセロナへ完全移籍。バルセロナ、パリ・サンジェルマン(PSG)で数多くのタイトルを獲得し、昨年8月にPSGからアル・ヒラルへ完全移籍。同クラブと2年契約を結んでいる。

 新天地での活躍が期待されていたネイマールだが、昨年10月の代表戦で左膝前十字じん帯断裂、半月板損傷という重傷を負い、今月中旬までブラジル国内でリハビリに励んでいた。また今月はじめには古巣サントスの公式戦を現地観戦。元川崎フロンターレ所属選手であるMFジョアン・シミッチのプレーを見て「あの5番は誰?ジョアン・シミッチ?いいね。なかなかやるじゃん」と唸っていた。

 そんな中、英紙『デイリーメール』は今月11日に「サントスはネイマールを復帰させるための動きを計画している。彼は怪我から回復して2023/24シーズン終盤に復帰するとみられるが、サウジアラビアでの将来が疑わしい可能性がある」とリポート。

 これによると、サントスのマルセロ・テイシェイラ会長は「ネイマールとは直接会話した。手短なものだったけど、良い結果を期待できる。ここに戻ってプレーするには、しっかり怪我を治す必要がある。彼はサウジアラビアでのプレーを続けて、その後に戻ってくるだろう」と、同選手再獲得へ手応えを覗かせたという。

 ただサントスの補強を巡っては、ブラジルメディア『グローボ』が今月6日に補強禁止処分を科される可能性があると報道。これによると、同クラブは2022年7月から12月までチームを率いていたファビアン・バストス氏に、未払い分の給与として400万レアル(約1億2000万円)を支払う必要があるとのこと。クラブは分割払いを提案しているが、バストス氏の弁護士は一貫して一括払いを要求。両者が合意に達しない場合には、今冬を含め3ウィンドウで補強禁止になるという。

 またカリーレ監督の問題を巡っては、サントスの専門サイト『Diario Do Peixe』は先月23日に「カリーレ監督に対する違約金は150万ドル(約2億2200万円)、コーチについては一人当たり100万ドル(約1億4800万円)。総額で450万ドル(約6億6400万円)だ」と報道。敗訴の場合には7億円程度の違約金を支払う可能性があるだけに、ネイマール獲得の資金があるのか疑問符が付く。