久保建英 写真:Getty Images

 レアル・ソシエダ所属MF久保建英は、昨年夏にサウジアラビア1部アル・ヒラルからの4年総額252億円オファーを拒否。DF板倉滉(ボルシアMG)やDF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)など、日本代表選手によるサウジアラビア移籍拒否が相次いで報じられる中、日本代表OBの内田篤人氏が久保のソシエダ残留に言及。サウジアラビア政府によるカラクリも話題になっている。

 カタールW杯における日本代表の躍進、欧州主要リーグで活躍する日本人選手の増加もあり、サウジアラビア勢による日本代表選手への関心は上昇。久保に関しては、年俸4000万ユーロ(約63億円)の4年契約によるアル・ヒラルのオファーを拒否したほか、今年1月にはアル・ナスルによる年俸額数百万ユーロのオファーを拒否したとみられている。

 サウジアラビア勢による久保など大物選手獲得への動きは、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月15日配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』第169回でも話題に。内田氏は「(60億円という年俸は)破格だけど、サウジアラビアへ移籍すると、久保選手はまだ若いし、ヨーロッパのトップを目指すならば、まだスペインにいた方が良いという考えが彼にはあったのでは」と、サウジアラビア移籍拒否の理由を推察している。

 またサッカー選手の年俸ランキングで、FWクリスティアーノ・ロナウド、FWカリム・ベンゼマ、FWネイマール、MFエンゴロ・カンテと、サウジアラビア1部リーグでプレーする選手が1位から4位までランクイン。この背景について、MCの野村明弘アナウンサーは「サウジアラビアは国がリーグを盛り上げている。有名選手を呼ぶためにこれだけのお金を出しているので、税金はかからない。その代わり契約期間中はサウジアラビアにいて下さいねと。(契約期間途中で)出ていくと税金取りますよ、という契約内容になっている」と、サウジアラビア移籍のデメリットを交えながら説明した。

 日本代表選手の去就については、昨年夏に英メディア『スカイスポーツ』が「板倉はアル・ヒラルから届いた年俸1200万ユーロ(約19億円)のオファーを拒否」と報道。イタリア人ジャーナリストのルディ・ガレッティ氏は今年1月17日に「アル・ナスルは外国人枠に空きを作りたいと考えている。その目的は守備の強化を目的としたセンターバックの獲得だ。ハリー・スーター(レスター・シティ)と町田浩樹(ユニオンSG)が新たな獲得候補として浮上している」と伝えていたが、町田については今季終了後までのユニオンSG残留が濃厚とみられている。

 また伊藤の去就を巡っては、ドイツ紙『ビルト』が今月2日に「アル・ナスルが伊藤に年俸900万ユーロ(約14億4000万円)の複数年契約を提示。シュツットガルトに契約解除金3000万ユーロ(約48億円)を支払う意思を見せたが、選手側が拒否した」と伝えている。