ナイジェリアの金融包摂はサブサハラ・アフリカ地域と比べて遅れており、国際通貨研究所によれば2021年の15歳以上の銀行口座保有率は45%にとどまっているという。

この低い水準には、銀行口座開設のハードルの高さが関連している。銀行口座開設には銀行識別番号(BVN)が必要だが、農村部の住民や女性のなかには、BVN取得に必要となる身分証明書を持たない人が多い。こうした背景から、現在ナイジェリアではスマートフォンやPCがあれば実質的に金融資産として管理できる“暗号資産”に注目が集まっている。

ナイジェリア人、南アフリカ人の90%以上は、英国、米国、日本、ドイツといった主要経済国の人々よりもweb3についての知識が豊富だという調査もある。

そんななか、世界初とされる広告付きweb3ウォレット「Back Wallet」のサービスを開発・運営するblocksky Inc.は、アフリカを中心としたゲームギルド「Ninja Game Guild」とパートナーシップを締結。ブロックチェーンゲームと親和性の高いweb3ウォレットを用いて、ナイジェリアの金融包摂に向けたさまざまなアプローチを進めると発表した。

広告付きweb3ウォレットを開発・運用するblocksky Inc.

blocksky Inc.は、2023年9月に設立された日本のスタートアップ。web3ウォレットの開発・運用、Discord構築・管理、ブロックチェーン開発、web3導入サポートなどのサービスを展開している。今春には「Back Wallet」のクローズドベータ版をリリース予定だ。

Back Walletは、ウォレットがメディアとして機能する広告付きweb3ウォレットのこと。ウォレットでのトランザクション中に広告を表示し、ユーザーにキャッシュバックする。同時に「プロダクトコミュニティ」でweb3プロジェクトとユーザーの新しいコミュニケーションの場を提供。これにより、「大手広告プラットフォームやSNS広告には掲載しにくい」「認知拡大の方法がSNSやリファラルの利用に限られている」というweb3関連広告主が、新しいユーザーへアクセスしやすくなることを目指している。また運用型広告としての側面もあるため、広告主がコストパフォーマンスを簡単に管理できるという。

なおクローズドベータ版はイーサリアムチェーンに対応予定。対象国は、日本・ベトナム・ナイジェリアだ。