酒井宏樹 写真:Getty Images

 興國高校サッカー部監督時代に日本代表MF南野拓実(ASモナコ)やFW古橋亨梧(セルティック)らを指導した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター、興國高校GM)が、今月11日に自身のYouTubeチャンネルを更新。DF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)、DF菅原由勢(AZ)、DF冨安健洋(アーセナル)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)の名前を挙げながら、サイドバックにおける日本代表の問題点を指摘した。

 日本の左サイドバックでは、カタールW杯本大会までDF長友佑都(FC東京)がレギュラーを張っていたが、同選手はW杯を最後に代表に招集されず。現在は伊藤とDF中山雄太(ハダースフィールド・タウン)がポジション争いを繰り広げている。

 一方、右サイドバックでもカタールW杯を境に世代交代が顕著に。長友と同じく酒井が今年3月以降招集されない中、W杯不出場の菅原が台頭。しかし菅原がアジアカップ開幕からの2試合で不安定なパフォーマンスを露呈。替わってDF毎熊晟矢(セレッソ大阪)が攻守にわたり存在感を発揮した。

 両サイドバックでスタメンが固定できない中、内野氏は「高さ、スピードがあって、対人が強いという選手がいない」と、森保ジャパンのサイドバック問題に言及。「ディフェンスラインで高さを保つためには、伊藤が左利きで必要なのかなと。右サイドバックも本当は酒井宏樹くらい高さが欲しい。菅原は高さ以外の部分はすべて持っている」と2選手の特徴を分析している。

 その上で内野氏は「理想は右サイドバックも左サイドバックも冨安。サイズもあるし、ボールも運べるし、対人も強いし、ゲームメイクもできるし、両足でクロスを上げることもできるので」と、アーセナルでサイドバック起用が続く冨安の凄さを力説。

 「サイドバックで色々な選手が出てこいないと、世界とは戦っていけない。まだまだ層が薄い。ここ(サイドバック)をどう育成するのかが(今後の課題だと)思う」とサイドバックでの人材不足について総括した。