リンコン 写真:Getty Images

 ヴィッセル神戸退団で合意と、今年1月に報じられた元U20ブラジル代表FWリンコン。トルコ1部アダナ・デミルスポル移籍間近とみられていたが、破談に終わったという。

 リンコンの去就を巡っては、ブラジルの移籍市場に詳しいヴェネ・カサグランデ氏が先月16日に「リンコンは友好的に契約を解除することで神戸と合意に達した。ブラジルサッカー界に復帰する」とリポート。以前、両者の契約内容について「年俸80万ドル(約8300万円)による3年契約、2年間の契約期間延長オプション付き」と報じられていただけに、神戸が2年間の契約期間延長オプションを行使しなかった可能性があるとみられる。

 また同選手の新天地については、FWエヴェラウド(元鹿島アントラーズ)擁するECバイーアからのオファーが報じられる中、トルコ移籍の可能性が浮上。トルコメディア『ajansspor』は5日に「リンコンはアダナ・デミルスポル移籍間近だ。アダナ・デミルスポルは150万ユーロ(約2億4000万円)のオファーを提示。彼は近日中にもメディカルチェックを受ける予定だ」と伝えていた。

 しかしトルコの移籍ウィンドウ最終日である今月9日を過ぎても、アダナ・デミルスポルはリンコン獲得を公式発表せず。カサグランデ氏は14日に「両者の交渉はうまくいかなかった。リンコンはトルコに渡り、アダナ・デミルスポルへ売り込んだが、契約上の相違によりサインを交わすことはなかった」と伝えている。

 リンコンは2021年1月にブラジル1部CRフラメンゴから神戸へ完全移籍も、来日1年目から負傷離脱もあり出場機会が限定。2022シーズンもJ1リーグで8試合の出場にとどまると、同年8月にブラジル1部クルゼイロへレンタル移籍。しかしクルゼイロでも出場機会に恵まれず、昨年2月に神戸へ復帰。2023シーズンのリーグ戦で5試合の出場に終わるなど、総額300万ドル(当時約3億3000万円)とみられる移籍金(ボーナス込み)に見合うだけの結果は残せなかった。なお神戸は「FUJIFILM SUPER CUP 2024」の川崎フロンターレ戦を17日に控える中、いまだにリンコンの去就について公式発表していない。