鎌田大地 写真:Getty Images

 ラツィオ所属の日本代表MF鎌田大地は、14日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦1stレグのバイエルン・ミュンヘン戦で途中出場。今夏移籍報道が飛び交う中、ドイツ紙『フランクフルター・ルンドシャウ』がラツィオ移籍が失敗に終わった原因を分析している。

 鎌田はカタールW杯以降に調子を落とす中、昨年8月にアイントラハト・フランクフルトからラツィオへフリー移籍。今季序盤からMFルイス・アルベルトの控えとスタメンでの出場機会に恵まれず、AFCアジアカップの日本代表メンバーから落選。アジアカップ開催期間中にリーグ戦3試合続けて出番がないなど、厳しい立場に置かれている。

 同紙は14日に「なぜアイントラハト・フランクフルトで成功を収めた選手が、次のステップで挫折するのか?」という見出しのもと、鎌田の現状を特集。「フランクフルト在籍時の2022/23シーズンは前半戦で素晴らしいプレーを見せるなど絶好調だった。しかし、彼にとって惨めなカタールW杯が始まると、W杯後のシーズン後半戦は彼にとってもクラブにとっても惨めなものとなった。この時、鎌田の気持ちはすでにフランクフルトから離れていた。サクセスストーリーではなく不幸だ。あまり良い印象はない」と、フランクフルト退団前のパフォーマンスや移籍報道を切り捨てている。

 その上で同紙は「鎌田の例は、億単位のビッグビジネスがいかに勢いを得ているか、成功や実績がいかに個人の市場価値を左右するか、選手や代理人、クラブの欲望がどのように目覚めるのかを示す好例である」と指摘。「多くのサッカー選手にとって、より大きな数字に向けての次のステップは、何よりも自分の経常収支における次の一歩だ。スポーツの面では、それがかなり悲痛な出来事になることが多い」と締め括った。