ブケレ大統領の目的はただ一つ、犯罪組織を撲滅させること
だから2020年2月には治安対策として1億900万ドルの借款を議会で承認させるために議事室に軍隊を送り込んで議員に心理的に圧力を掛けるという違法的なことも実行した。強引な手段でもって承認させるという民主国家では容認できないことまで彼は実行した。何しろ司法を彼の配下に置いているので、それができたのである。
彼の目標は上述した3つの犯罪組織を撲滅させるということである。そのためには市民に対して、治安の安全は保障するが人権は保障できないという考えで犯罪組織の撲滅に動いている。また刑務所に既に収監されている仲間からの協力も必要だとして、収監させられている部員の幹部には携帯電話で外で活動している部員に容易に指示ができるようにさせた。
また、グループごとに独房を分けることもしている。ライバルの部員を一つの独房に雑居させると喧嘩が増え、また情報がライバルの組織に漏れたりするということを避けるためだ。収監されている囚人についてはある程度の要求は受け入れている。
このような手段でもって新しく建設した4万人の囚人を収容できる刑務所も加えて現在まで7万5000人が収監されているという。(1月30日付「BBC MUNDO」から引用)。
その為に警察と軍隊を総動員して市街で片っ端からこの3つの犯罪組織の部員を逮捕して行ったのである。逮捕の罪状についても警察と軍隊が適時に決め行っている。だから、無実の若者でも不審者だと疑えば逮捕している。また、彼らが逆に住民を脅して部員の隠れ場所などの情報を提供させる場合もある。また親が逮捕されて子供が残され、その祖父母が子供の世話をせねばならなくなるというケースも発生しているという。
ブケレ大統領の目的はただひとつ、街から犯罪組織の部員を一掃するというそれ以外に何もない。8万から10万人いると推測されている故に、まだ街で犯罪活動を続けている部員がいる。彼ら全員を逮捕して行くのが目的だ。
その一方で、今も犯罪活動を続けている部員や何れまた刑務所から保釈される可能性もあるかもしれない部員のことを恐れてお金を払っている企業家らもいる。しかし、ブケレ大統領は彼らを終身刑と見做して刑務所から一生出ることはないと断言している。
囚人になっても無料ではない。刑務所での食事代など170ドルは囚人の家族が負担することになっている。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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