【受験親のための大学入試最前線・2】今や大学入試のスタンダードとなりつつある「総合型選抜」。年々、受験生、保護者の注目度も高まっています。KOSSUN教育ラボは2011年に総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜の専門塾として開塾以来、延べ5800人以上の受験生をサポートしてきました。その中で、多くの保護者と接してきた経験から合格する人、不合格になる人の会話には共通点があることが分かりました。そこで、受験親が絶対にいってはいけない総合型選抜(AO入試)のNGフレーズを三つ紹介します。普段からつい口にしてしまっていると、お子さんの大学受験が危ないかもしれません。

受験親が絶対いってはいけない! 総合型選抜(AO入試)三つのNGフレーズとは?
(画像=『BCN+R』より 引用)

NGフレーズ(1)できれば早慶を目指してほしい

 一つめのNGフレーズは、「できれば早慶、最低でもMARCHは目指してもらいたい」です。このフレーズの何がいけないのでしょうか。親なら自分の子どもに良い大学へ行ってほしいと願うもの。しかし、総合型選抜においては、この「良い大学」の基準が偏差値ではありません。大学・学部が掲げるアドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)とのマッチングで判断されます。

 つまり、先に挙げたような偏差値の序列で大学をくくっても意味がありません。例えば、早慶と一口にいっても早稲田大学と慶應義塾大学では校風が全く違います。さらに、同じ大学でも学部・学科によっても個性が大きく異なります。それらを吟味し、受験生自身の適性を見定めなければ大学選びの段階で失敗します。繰り返しになりますが、早慶やMARCHなどと大学群で一括りにすることは言語道断であることを覚えておいてください。

NGフレーズ(2)合格する方法を教えてください

 二つめのNGフレーズは、「受かる方法を知りたい」です。KOSSUN教育ラボでも受験生、保護者からこのように質問されることがよくあります。その際、講師は決まって「総合型選抜に『こうすれば受かる』といった王道はありません」と答えます。おそらく、相談する人は一般選抜のように「定評のある問題集で基礎を固めてから過去問を解いて……」という万人受けする勉強法が存在すると思っているのでしょう。

 ですが、それは誤解です。総合型選抜では座学だけでなく、フィールドワークや実体験を通じて得られたことも評価の対象となり得ます。その意味で高校生活をはじめ、これまでの人生のさまざまな経験が学びに含まれます。だからこそ、学び方やその内容も受験生1人1人で異なるのです。合格する勉強法は千差万別であり、マニュアル的な思考は決して通用しないことを理解しましょう。