ブラジル1部クリシューマEC所属FWフェリペ・ヴィゼウが、父親を亡くした直後の公式戦でゴールをマーク。ブラジル国内で反響を呼んでいるほか、古巣横浜FCのファン・サポーターや同クラブ関係者からも注目を浴びている。
1部昇格組のクリシューマECへ加入したヴィゼウは、今年1月開幕のサンタカタリーナ州選手権で、ここまで7試合中6試合のスタメン出場で3ゴールをマーク。絶対的ストライカーとして活躍しているだけに、チームも6勝1敗とスタートダッシュに成功していた。
ブラジルメディア『MBTV』によると、ヴィゼウは現地時間12日夜に行われるアヴァイ戦の数時間前に父親の訃報を知ったとのこと。当然ながら気持ちに動揺があったものの、アヴァイ戦でスタメン出場。1-0で迎えた12分にPKから追加点を奪うと、ゴール直後にチームメイトと熱い抱擁を交わした。
父親に捧げるゴールを決めて33分で途中交代したヴィゼウは、ハーフタイムに『MBTV』のインタビューで「とても悲しいニュースがあったとはいえ、プレーしないといけないと思った。僕にとって家族でもあるチームメイトを助けないといけないからね。父のことを聞いてとても悲しかったが、父は安らかに眠っている。このゴールを父に捧げたいし、皆には僕と家族のためにたくさんの祈りをお願いしたい」とコメントを残している。
また同選手のゴールシーンがX(旧ツイッター)で拡散されると、横浜FCのファン・サポーターから「ヴィゼウ本当にカッコイイ!」「ヴィゼウ頑張れ」と同選手を後押する声が。横浜FCのチームドクターである佐藤秀之氏も「ヴィゼウさん、熱い漢ですね」と感激している。
現在26歳のヴィゼウは、2021年7月にセリエA(イタリア1部)ウディネーゼから横浜FCへ期限付き移籍。来日1年目の2021シーズンに、J1リーグ13試合の出場で2ゴールをマークしたが、翌2022シーズンはJ2リーグでスタメン出場わずか5試合。5月以降は全試合でベンチ外となり、シーズン途中の7月に退団。横浜FC退団後はモルドバ1部FCシェリフ・ティラスポリ、ブラジル2部アトレチコ・ゴイアニエンセでプレーしていた。