田中碧 写真:Getty Images

 川崎フロンターレは今月13日に敵地で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦で、中国1部・山東泰山に3-2で勝利。ブラジル人FWエリソンの好パフォーマンスや、DF瀬川祐輔に対するラフプレーに注目が集まる中、主審もクローズアップされている。

 この一戦では、前半から山東所属選手のラフプレーが相次いだこともあり、両チームあわせてイエローカード6枚が提示される乱戦に。それでも川崎は28分にエリソンのPKから先制点を奪うと、33分にはFWマルシーニョが追加点をマーク。後半に入って山東の反撃に遭ったが、79分にベテランのMF家長昭博がゴールネットを揺らした。

 この一戦で主審を務め、イエローカードを次々と提示したのは、シンガポール出身のムハンマド・タキ氏だ。同氏はシンガポール国内リーグ戦のみならず、2019年開催のAFCアジアカップをはじめ国際大会でも主審を担当している。

 そんなタキ氏は、2020年1月15日開催のAFC U-23選手権(東京五輪アジア最終予選)U23日本代表対U23カタール代表でも主審を担当。前半アディショナルタイムの45+3分、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)を確認した末にMF田中碧(現フォルトゥナ・デュッセルドルフ)に対してレッドカードを提示したが、日本国内から一発退場の判定に対する異論が噴出。田中が当時川崎に所属していたこともあり、川崎サポーターの間でも大きな話題になっていた。

 それだけに山東戦の試合中や試合後には、X(旧ツイッター)上では「山東戦の主審、以前田中碧にレッド出した人だよね」「田中碧にレッドカード出しただけあって、今日の安定の謎レフェリングだったな」「以前、田中碧にレッドカード出した人なので、なおさら印象が悪い」などと、タキ氏に厳しいコメントが寄せられている。

 なお35分にMFペン・シンリが瀬川に対して膝蹴りをしたシーンで、タキ主審はペンにイエローカードを提示。「レッドだろ」という意見も挙がったが、VAR介入もイエローからレッドに覆ることはなかった。山東所属選手による危険極まりない行為が多く見られた一戦。ラフプレーに対する批判にくわえて、タキ氏の試合コントロール能力にも疑問の目が向けられている。