“インドの時代”はきてるのか?

―――定義が難しいのですが、よく言われる“インドの時代”って、いつ来るのでしょうか? 

たしかに「これからはインドの時代だ」と言われて多分30年ぐらい経っている気がしていますね。

私がインドに行った11年前もそう言われていましたが、インドの時代が来ているようには感じませんでした。

ただ、去年(2023年)から日本企業から新規進出の問い合わせの件数が圧倒的に増え始めています。実感としては3倍ぐらいになっています。

メディアも去年ぐらいから、インドを幅広く取り上げ始めました。

“日本企業にとって”のインドの時代を考えたとき、インド進出を検討する企業からの問い合わせ件数を1つの基準とすると、2023年から来たんだと僕は思っています。

日本企業には、「あの企業が行くんだから、うちも行かなきゃ」という右にならえ的な傾向があると思っていまして。

企業体力のある大企業であれば、「自社でしっかりと時間とコストをかけて調査を実施し、ファーストペンギン(リスクを承知で新しいことに挑む個人や企業のこと)として進出する」という判断をするのでしょうが、そうではない中小企業のほとんどは、競合や関連企業などを含めて他社の動向を参考にしていると思います。

ここ数年で進出を検討する日本の企業が増えてきていることが1つのティッピングポイント(社会で一気に広がることになった転換点のこと)になって、「あそこも出るんだったら、うちも出なきゃね」と考え始める企業が増えると思うんですね。

今年に入ってからも引き続き問い合わせが増えていますし、そういう意味ではインドの時代がちょうどこれから始まろうとしていると、この11年間インドにいて思いますね。

Global Japan AAP Consulitingについて

会計事務所を母体とした独立系インド進出支援コンサルティング会社。

インドに進出するための市場調査から拠点設立・事業の立ち上げフェーズに特化した経理・人材採用・人事労務・法務を中心としたバックオフィス業務の代行・アドバイザリーサービスを提供しています。

2014年12月に南インド・チェンナイで創業。ベンガルール、ハイデラバード、グルガオン、スリシティを含むインド国内5州5拠点に事務所が置かれています。

代表の田中さんは、米国公認会計士資格を有しており、2023年度のJETRO中小企業海外展開支援プラットフォーム・コーディネーターも務めています。

2月16日(金)18時掲載の第2回「下手すると拘束のリスク? 日本企業がインドに進出するうえで考えるべきことは:Global Japan AAP Consulting代表・田中啓介さんインタビュー(2)」に続く