報酬の引き下げが発生か
Uber Eats Japanは5月に配送料の算出に使用するシステムを変更。配達報酬の算出方法も改定されたが、これに伴い配達員が受け取る報酬が引き下がる事例が出ているといわれているが、外食業界関係者はいう。
「配達報酬の算出方法が不透明だとよくいわれるが、その時間帯、そのエリアでの注文数や配達員数などをもとに自動で算出するAIチックなアルゴリズムを組んでいるとみられ、ブラックボックス化しているというよりは、具体的に『こういう計算式だ』と説明できるものではないというのが正しい言い方では。出前館やWolt、menuなど宅配サービス市場は参入企業が増えて過当競争状態で、サービス利用料の価格競争が激しくなっていることも、配達料の値下がりにつながっている。
また、利用者のみならず配達員の奪い合いが生じているエリアもあり、個人の配達員側も同時に複数の宅配サービスにまたがって働くのが当たり前になっている。Uber Eatsはまだまだ利用者が多いので報酬が低くても配達員を確保できているが、他社サービスの利用者が増え報酬も引き上げられていけば、Uber Eatsも配達員の確保に難が生じてくるかもしれない」
配達料の実態について、ライターでUber Eats配達員の渡辺雅史氏はいう。
「東京の港区や中央区で自転車配達の場合、配達距離が1kmだろうと2kmだろうと、ほとんどが1回300円。ベースが100円、ブーストが50円なら配達調整金額は150円で、ベースが100円、ブーストが0円なら配達調整金額は200円というかたちで、合計金額が300円になるように配達調整金額を使って帳尻を合わせているという印象。計算の根拠は配達員にも非公開で、雨が土砂降りの時などはブーストの金額が跳ね上がるので、その時々の需要量や配達員の数によって変動するダイナミックプライシングのような仕組みなのだろう。
私が配達員を始めた5年半くらい前は1回あたり500円ほどだったが、徐々に下がってきている。以前はお昼時間に2時間やって5000円くらい稼げたが、今では2000円稼げればよいほう。
ちなみに、自転車よりバイクによる配達のほうが同じ距離でも配達料が高いと聞くので、運営元としては短い距離しか走れず重い荷物を運べない自転車の配達を減らそうとしているのではないか」
配達料低下に加え、配達員の労働環境も徐々に厳しくなっているという。
「運営元は配達員に対してマスク着用を強制はしていませんが、飲食店や注文者がアンケートで『配達員がマスクをしていなかった』として評価を下げることがあると言われており、一定の評価以下が続くと配達員はアカウントを停止されて仕事ができなくなってしまう可能性があるため、マスクを着けざるを得ない。マスクを着用しながら長時間、自転車を運転して荷物を運ぶのは相当苦しい。また、ヘルメット着用も『努力義務』となっていますが、先日、炎天下でヘルメットとマスクを着用して配達をしていたら熱中症気味でフラフラになり歩けなくなってしまいました」
自由な時間に働けるという点以外、Uber Eats配達員という仕事にメリットを見いだすのは難しそうだ。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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