大手ウェディング企業のワタベウェディングは、ホテル運営の子会社であるメルパルクが、2023年12月31日をもって「ホテルメルパルク大阪」と「ホテルメルパルク横浜」の営業を終了すると6月26日に発表した。両ホテルは1970年と1980年の開業だ。特にメルパルク大阪は、メルパルクホテルの第1号として知られているが、土地・建物を所有する「日本政不動産」との契約が終了することから今回の決定になった。

 メルパルクは、郵便貯金の福利厚生施設として事業を開始し、郵政民営化に伴い「メルパルク」と改称後、2008年にワタベウェディングへ譲渡されていた。2022年9月には全11ホテルのうち6ホテル(仙台、東京、長野、京都、岡山、松山)が営業を終了しており、今回の2ホテル閉業で、残る施設は名古屋、広島、熊本の3ホテルになっている。

 ワタベウェディングは、2021年3月19日に事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請。コロナ禍による婚礼市場の落ち込みで業績が一気に悪化し、名古屋市の医薬品事業(コルゲンコーワ)やホテル運営の興和に再建を託すことになった。同年5月末に興和を引受先にする第三者割当増資により20億円を調達し、また千趣会などの大株主からは株式の無償譲渡を受けた。前述した事業再生ADRの手続きは5月27日に成立。債務総額の約半分にあたる90億円の債務免除に銀行団が同意し、同年6月28日付けで上場を廃止し、興和の完全子会社として経営再建を目指している。

今回のメルパルク2ホテルの営業停止もそうした再建の一環だ。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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