上田綺世 写真:Getty Images

 日本代表FW上田綺世は、AFCアジアカップ全5試合出場で4ゴールをマーク。所属先のオランダ1部フェイエノールトではスタメンでの出場機会が少なく、一時は構想外報道も飛び交っていたが、現地ジャーナリストからは「上田を見切るのは早計」という声が挙がっている。

 鹿島アントラーズ、ベルギー1部サークル・ブルッヘで絶対的ストライカーとして活躍していた上田。昨年夏にフェイエノールトへ完全移籍も、今季ここまでリーグ戦でスタメン出場ゼロ。メキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスの控えに甘んじる中、ここまで1ゴールと限られたチャンスで結果を残せておらず、現地で「クラブ史上最高額の移籍金(1000万ユーロ:約15億円)に見合わない」と批判を浴びている。

 またアジアカップ開催期間中には、オランダ国内で上田構想外報道が。オランダメディア『1908.NL』は1月29日に「フェイエノールトがウルグアイ1部リベルプールFCからウルグアイ代表FWルチアーノ・ロドリゲスの獲得に迫っている」とした上で、「上田はアジアカップ参戦で不在であり、この夏に退団する可能性があることを踏まえると、ロドリゲス獲得は決して贅沢ではない」と伝えていた。

 一方、ヒメネスは今季ここまでリーグ戦全20試合スタメン出場で19ゴール4アシストをマーク。しかし1月14日のリーグ戦再開以降は4試合でわずか1ゴールと調子を落しているだけに、一部では上田のスタメン出場を望む声が湧き起こっている。

 それだけにオランダ人ジャーナリストのデニス・ファン・エアセル氏は今月はじめ、オランダのポッドキャスト番組『FC Rijnmond』出演時に「上田が5試合続けてスタメン出場するまで、(彼の能力は)判断できないと思う。ある程度スタメンでの出場機会を与えたら、彼はゴールを決め始めるだろう」とコメント。アルネ・スロット監督の起用法により、日本代表FWが本来のパフォーマンスを発揮できていないと主張したのだ。

 ただフェイエノールトの専門サイト『FR-FANS』によると、スロット監督はストライカーの起用法について「ヒメネスには上田という競争相手がいるので、良いパフォーマンスを継続しないといけない。ビッグクラブはつねに勝利しなければならないが、幸いなことに、ヒメネスのおかげで我々は勝ち続けている」とコメント。上田スタメン起用を考慮していないとみられる。