西村拓真(写真左、右は上島拓巳)写真:Getty Images

 横浜F・マリノスは2月8日、日本代表FW西村拓真が海外クラブへの移籍を前提とした交渉・準備のため、チームを離れることになったと公式発表。DF常本佳吾が主力選手として活躍し、元鹿島アントラーズ監督のレネ・ヴァイラー氏率いるスイス1部セルヴェットFCへの期限付き移籍が濃厚とみられる中、ネット上では西村の後釜候補を巡り議論が白熱している。

 横浜FMは3年続けて開幕直前に主力選手を放出することに。2022年2月にブラジル人DFチアゴ・マルチンスをMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)のニューヨーク・シティへ完全移籍すると、直後にサガン鳥栖からDFエドゥアルドを獲得。2023年2月にはGK高丘陽平がMLSのバンクーバー・ホワイトキャップスへ完全移籍したことを受けて、ガンバ大阪からGK一森純を期限付き移籍により獲得していた。それだけに西村のチーム離脱を受けて、ファン・サポーターの間では「どこかのJクラブから攻撃的MFを獲得するのでは」という憶測が駆け巡っている。

 一方で海外に目を向けると、かつて浦和レッズでプレーしていたVfBシュツットガルトMF原口元気の去就が不透明だ。同選手は2023年1月にウニオン・ベルリンからシュツットガルトへ完全移籍も、今季ここまでリーグ戦わずか1試合の出場。『南西ドイツ放送』が今月5日伝えたところによると、シュツットガルトのファビアン・ヴォルゲムートSD(スポーツディレクター)は「(欧州主要リーグ以外の)移籍ウィンドウはまだ開いている」と今冬移籍の可能性を示唆。今もなお選手サイドとクラブ幹部が残留、移籍の可能性について話し合っているという。

 またドイツ誌『ビルト』は、原口が1月末にFW伊藤達哉擁するドイツ2部マクデブルクからのオファーを拒否していたと報道。マクデブルクから提示された年俸額が現在(50万ユーロ:約8000万円)の半分程度だったほか、妻が現在妊娠中だという。

 原口とシュツットガルトの契約期間は今年6月末まで。ドイツ紙『キッカー』は昨年2月、同選手の獲得でシュツットガルトからウニオン・ベルリンへ支払われる移籍金が60万ユーロ(当時約8400万円)だと伝えていた。

 昨年11月にはヴィッセル神戸をはじめJリーグ複数クラブからの関心が報じられた原口。ウニオン・ベルリン在籍時にトップ下を主戦場に活躍していたことを踏まえると、横浜FMの補強ポイントに合致すると言える。妻の同意が必要という前提条件ではあるが、移籍金が高額ではないと予想されるだけに、Jリーグ復帰の可能性は十分に考えられる。