菅原由勢 写真:Getty Images

 日本代表は2月3日開催のAFCアジアカップ準々決勝でイラン代表に1-2で敗れ、ベスト8敗退。代表OBの内田篤人氏が失点直後のリアクションに注目するとともに、DF長友佑都(FC東京)のようなムードメーカーの不在を嘆いた。

 内田氏やMF本田圭佑(無所属)、DF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)らとともに、W杯やアジアカップの舞台に立った長友は、2022年開催のカタールW杯を最後に代表に招集されず。長友が担っていた左サイドバックでは、DF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)とDF中山雄太(ハダースフィールド・タウン)がポジション争いを繰り広げている。

 また長友にかわるムードメーカーとして、DF菅原由勢(AZ)に対する期待も。同選手は練習中や試合中にチームメイトに対して積極的に声を掛ける姿で、ファン・サポーターから支持を得ていた。

 しかしアジアカップ開幕直前に、ミーティングでの“居眠り疑惑”が浮上。ベトナム戦とイラク戦で先発出場するも守備面で不安定なプレーを見せると、グループステージ第3節インドネシア戦以降は出番が無かった。

 菅原の低調なパフォーマンスをあり、日本は全5試合で失点。守備陣の脆さが議論の対象となっているだけに、8日からインターネット動画配信サービス『DAZN』で配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』でも、失点の多さが話題になっている。

 ただ内田氏が注目したのは、失点直後における日本代表イレブンの様子だ。同氏は「失点した後の選手の感じが静かだと思った。誰かが怒るわけでもなく、言うわけでもなく、そのままボールを持ってセンターサークルに向かうというのが、僕の中では寂しかった。チームとして(声を出したり、鼓舞する)タイプが何人かいないといけない」とコメント。

 テレビ局のスタッフから聞いた話をもとに「カタールW杯の時は、長友さん(長友佑都)が結構ベンチの前に出て鼓舞していたけど、今の代表にはそういった選手がいない。チームワーク的に寂しかった」と、長友不在の影響を指摘した。

 DF毎熊晟矢(セレッソ大阪)の台頭がファン・サポーターの間でひとつのトピックになった一方、不完全燃焼で大会を終えた菅原。ピッチサイドでの貢献度という観点からも、長友の後継者と言うのはまだ早いかもしれない。