前田大然 写真:Getty Images

 日本代表は2月3日開催のAFCアジアカップ準々決勝で、イラン代表に1-2と敗北。代表OBの田中マルクス闘莉王氏が左サイドハーフでMF三笘薫(ブライトン)をスタメン起用しなかった森保一監督の采配を疑問視。スタメン出場したFW前田大然(セルティック)のパフォーマンスを批判している。

 森保監督はMFアリレザ・ジャハンバクシュ(フェイエノールト)の攻撃力を警戒していたのか、左サイドバックにDF中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC)ではなくDF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)、左サイドハーフに三笘ではなく前田をスタメン起用。テレビ朝日系で解説を務めていた槙野智章氏も守備重視の戦術と捉えていた。

 アジアカップ5戦目にして初スタメンの前田だったが、前半から攻撃面で存在感を発揮できず。ペナルティエリアでボールに触れる機会がほとんどない中、後半に入ってイランが主導権を握ると、67分に三笘との途中交代でベンチに下がっている。

 それだけに闘莉王氏は前田のプレーを全く評価していない模様。8日夜に自身のYouTubeチャンネル『闘莉王TV』を更新。イラン戦出場選手を採点する中、セルティック所属FWのパフォーマンスについて「嫌いなわけじゃない」と断った上で、「ドリブルの仕方、ボールの貯め方、全く無いね。目立つシーンは1つだけ。守備で後ろに戻りながら、ボールを奪うという。センタリング(クロス)、シュート、ドリブルが1回もない。攻撃のチャンスに絡んでいるところが1回もない。守備で頑張っても、攻撃の選手では評価しづらい」と、攻撃面における貢献度の少なさを酷評。

 「浅野拓磨(ボーフム)を左サイドハーフで使った方が良いかもしれない」と、グループステージ第2節イラク戦で酷評していた浅野と比較したほか、「三笘をスタメン起用しなかったのは采配ミス。森保監督は前田を交代させるタイミングが遅い」と森保監督の交代カードの切り方にも厳しい視線を注いでいる。

 さらに闘莉王氏は前田の最適な起用法を訊かれると「ベンチ。森保監督の横」と即答。左サイドハーフにおけるポジション争いについて「(今回招集外の)相馬勇紀(カーザ・ピアAC)、中村敬斗(スタッド・ランス)、三笘がいる。浅野もいる。旗手怜央(セルティック)も使える。(左サイドハーフで5人も使えるから)前田を無理やり使う必要はない。レベルが違う」と厳しい言葉を残した。

 守備時に豊富なスタミナを武器としたプレスが最大の持ち味である前田。セルティックの主力選手として活躍し、カタールW杯出場という実績を持つとはいえ、イラン戦ではほとんど見せ場が無かった。