意図的に利用制限をかけるケースも

 公式サイトをみる限り、冒頭で紹介した「お支払いが集中しているため」という理由での利用制限については説明されていない。2日にはNTTドコモの「d払い」で午後12時4分頃~午後1時8分頃というまさにランチタイムに障害が発生し、多くの人が影響を受けたが、なぜこうした事象が起きるのか、ITジャーナリストの山口健太氏はいう。

「QR決済アプリはサーバー側と通信をすることで支払いに必要な情報を取得しています。スマホの通信回線やクラウドなどのインフラに依存した仕組みであり、そのどこかで障害が起きれば使えない場合が出てきます。最近ではd払いやau PAYも短時間使えなくなる障害を起こしており、各社に共通する課題といえます。

 ランチタイムなどの利用増は想定の範囲内ですが、1月24日に発生したPayPayの障害では利用が集中した際にPayPay側で意図的に利用制限をかけたようです。こうした制限は利用者にとっては不便ですが、支払い時にエラーが発生すると店舗との間で払った・払ってないといったトラブルになる恐れがあるため、利用自体を制限したほうがマシという判断でしょう」

 やはり、QR決済のみしか支払い手段を持っていないというのは危険なのか。

「PayPayはネット接続がない状態でも一定の金額内で支払えるオフラインモードを2023年7月に搭載するなど、支払いができない状況を少しでも減らそうとする姿勢はうかがえます。ただ、スマホの電池切れや店側の都合で使えない場合もあります。現金でも1万円札しか持っていないと不便な場合があるように、さまざまな状況に対応できる複数の支払い手段を用意しておくことをおすすめします」

(文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?