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確認すべきは「事故歴」ではなく「修復歴」
激安だからと事故車ではない。販売店の戦略を読み解くこともカギ
確認すべきは「事故歴」ではなく「修復歴」
自動車公正取引協議会によれば、車の骨格部分の損傷・修理の履歴は「修復歴」という言葉で表されます。
さらに詳しくいえば、「(フロント)クロスメンバー」「サイドメンバー(フレーム)」「インサイドパネル」「ダッシュパネル」「ピラー」「ルーフパネル」「ルームフロアパネル」「トランクフロアパネル」「ラジエータコアサポート」の9カ所において交換や修理跡があるものが「修復歴あり」と定義されます。
逆に言うと、「ちょっと外装を擦ってしまった」などの理由で上記の箇所以外を修繕した場合は、「修復歴あり」にはならないのです。
この点において、中古車を購入するユーザーとの間に誤解が生まれやすく、「独立行政法人国民生活センター」には中古自動車にまつわる相談が毎年のように報告されているといいます。
「修復歴あり」の車は、査定時に高い金額が付きません。査定は基本的に減点方式でおこなわれるため、製造後工場出荷の状態と比較してキズや状態に応じて価格が引き下げられていくからです。
これを踏まえると、極端に値段が安い中古車は、修復歴ありの事故車ということなのでしょうか?
「値段の安い車=事故車」の真相を深掘りすべく、中古車情報メディアにインタビューをおこないました。
激安だからと事故車ではない。販売店の戦略を読み解くこともカギ
中古車情報メディア「カーセンサー」の統括編集長に、安く売られている車は事故車であることが多いのか伺ってみました。
「もちろん世の中すべての在庫を確認できているわけではないので分かりませんが、安価だからといって事故車なわけではありません。
販売店では、乗り換えを検討している方に対して、現在乗っている車を下取りすることで自社の車を買ってもらおうとすることは多くありますよね。
その後、商品として店頭に並べる場合もあれば、オークションなどへ流通させる場合も。例えば、SUVを中心に扱うお店がミニバンを下取るなど得意ではないクルマなどを下取った場合に、早く売ってしまいたいから相場より安めで販売するケースは存在します。
そういった場合は、修復歴など明らかな理由がなくても相対的に安い価格で流通することもあります。修復歴有りはもちろん、無しよりは安くなりますが、修復の程度や個体への影響は大小様々なので、修復歴ありと一言で括っても価格も同様に上下することは知っておいていただきたいです!」
同統括編集長いわく、こういった「在庫処分」を目的とするパターンは意外とあるとのこと。必ずしも「安かろう悪かろう」ではないようです。
さらには、実店舗とネット通販、どちらの利用がおすすめなのかも伺いました。
「きちんとした販売店であれば、路上で走れることを担保したうえで販売しています。ネット通販やオークションサイトなどで購入してしまうと“写真と全然違った”というようなトラブルにもなりやすいので、中古車情報の見極めが心配な人は店舗で購入した方が安心ですよ」
気になる中古車があれば、そのお店自体がメインとして扱っている商品や市場価値も確認してみましょう。意外な「安さのワケ」が分かるかもしれません。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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