手書きのメモやスケッチを瞬時にデジタル化するスマートペンやデジタルノートの製品はすでに多数存在するが、いよいよChatGPTを搭載したスマートノート&ペン「XNote」が新たに登場する。Indiegogoのクラウドファンディングプロジェクトにて約29万ドルの支援を獲得したのだ。

Indiegogoプロジェクトページより引用
アナログな「手書き」とデジタルテクノロジーを融合させたXNoteは、スマートペンと専用のノート、モバイルアプリから構成されている。専用ノートのページは特殊なパターン化表面となっており、その表面上での動きを検知するセンサーがペンに搭載されている。ノートに手で書き込めばスマートペンが人の筆跡の繊細なニュアンスまで感知し、XNoteアプリを通してリアルタイムでデジタルデバイス上に忠実に再現するという仕組みだ。

Indiegogoプロジェクトページより引用
ChatGPT搭載でノートが有能な秘書やアシスタントに
手書き文字を瞬時にデータ化する技術自体は、特に真新しいものではない。XNoteを既存の類似製品から際立たせる最大の特徴は、ChatGPTを搭載した点だろう。
ChatGPTが手書きのメモを認識して自動で分類・タグを生成、要約してくれるので、後からページをめくって探したり、手動でリマインダーを設定する必要もない。宿題の提出期限やミーティングの予定を書き込めば、AIが自動でタスクやカレンダーに登録、リマインダーを設定してくれる。

Indiegogoプロジェクトページより引用
自分がとったメモをただ眺めるのではなく、インタラクトすることでアイデアのブラッシュアップも可能となる。すっかり忘れていた過去のなぐり書きからダイヤの原石が見つかる可能性もあるかもしれない。

Indiegogoプロジェクトページより引用
クラファン成功もスタートアップの持続可能性がカギ
XNoteの開発元は、IndiegogoのプロジェクトページではKodion Innovation社となっている。ソフトウェアイノベーション、進化を続ける人工知能、クラウドソリューション、ユーザーフレンドリーデザインなど、多岐にわたる分野の専門家から成るチームが開発を手掛けたとのこと。
クラファン成功後の流れとしては、2024年1月に量産開始、4月に発送が予定されている。2月2日には製造ラインを写した画像つきで開発元から状況が報告されたところを見ると、スケジュール通りに進んでいるようだ。

Indiegogoプロジェクトページより引用
優れた製品でクラウドファンディングを華々しく成功させながらも、製品発送から2年と経たずに消えていったスタートアップは数多い。Kodion Innovationはそうした事例の一つにならず、今後も成長を続けることを期待する支援者は多いはずだ。アイデアと開発力の次には、ビジネスを継続する力が問われるなか、コーポレートサイト開設はもちろん、開発者や創業者の顔が見える広報活動もぜひ期待したいところである。
引用元:Indiegogo
(文・根岸志乃)