「煙を浴びに行こう」
ぼーっと景色に見入っていた私に、近所の飲み屋のママが話しかけてくれました。誘われるまま大きくなった炎の周りを一周して、その年は厄年でもあったため、少しむせながらたっぷり煙を被りました。

人垣に戻ると、周りは顔見知りばかり。「いい年になるといいね」と声を掛け合って、またしばらくどんと焼きの炎と海を眺めていました。太陽の暖かさと、どんと焼きの熱を感じながら、「今年はいい年になりますように」と心の中でしっかりお祈りしておきました。
東京に住んだままだったら、この時期をずっと実家で過ごしていたら、こんな素敵な行事があることも知らないで、私は歳をとっていたのかもしれない。この日、この景色をみられたことがとてもラッキーなことのように感じられました。
季節を感じ、その時々で見られる景色を存分に味わうこと。「丁寧に暮らす」の意味はいまだによくわかりませんが、もしかしたらこういうことなのかもなぁと朝日を透かす炎をみながらぼんやりと思ったのでした。(フリーライター・甲斐イアン)
■Profile
甲斐イアン
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
提供元・BCN+R
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