上田綺世 写真:Getty Images

 フェイエノールト所属の日本代表FW上田綺世は、AFCアジアカップ全5試合出場で4ゴール。オランダ国内の識者からも「フェイエノールトは上田にもっとチャンスを与えるべき」との意見が挙がっているが、アルネ・スロット監督はメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスのスタメン起用継続を示唆したという。

 鹿島アントラーズ、ベルギー1部サークル・ブルッヘで絶対的ストライカーとして活躍していた上田は、昨年夏にフェイエノールトへ完全移籍も、今季ここまでリーグ戦でスタメン出場ゼロ。ヒメネスの控えに甘んじる中、ここまで1ゴールと限られたチャンスで結果を残せておらず、現地で「クラブ史上最高額の移籍金(1000万ユーロ:約15億円)に見合わない」と批判を浴びている。

 しかしアジアカップでは持ち前の決定力を発揮。2月3日の準々決勝イラン戦でもポストプレーからMF守田英正(スポルティングCP)の先制ゴールを演出しただけに、オランダ国内のファン・サポーターからもX(旧ツイッター)で「フェイエノールトは上田のプレー時間を確保すべき」「上田が結果を残すはずだから、ストライカーは獲得しなくと良い」と、“上田擁護論”が噴出。同選手に対する評価は上向きつつある。

 一方、ヒメネスは今季ここまでリーグ戦全20試合スタメン出場で19ゴール4アシストをマーク。しかし1月14日のリーグ戦再開以降は4試合でわずか1ゴールと調子は下降線。かつてアヤックスやAZなどオランダ1部複数クラブでプレーしていたケネス・ペレス氏は今月はじめ、現地のスポーツ番組『This Was The Weekend』出演時に「ヒメネスが次の試合でも良くないプレーをしたら、上田を使うべきだ」と主張していた。

 そんな中、フェイエノールトの専門サイト『FR-FANS』が6日報じたところによると、スロット監督はストライカーの起用法について「ヒメネスには上田という競争相手がいるので、良いパフォーマンスを継続しないといけない」とコメント。

 「ビッグクラブはつねに勝利しなければならない。幸いなことに、ヒメネスのおかげで我々は勝ち続けている。(6日開催のオランダ国内カップ戦準々決勝・AZ戦でも)仕事してくれると、私は確信している」と語るなど、上田のスタメン起用を考慮していないという。

 代表戦で結果を残したにもかかわらず、今季後半戦でもサブ起用が予想される上田。AZ戦でDF菅原由勢との日本人選手対決がお預けとなる可能性も考えられる。