アフリカでは4Gの普及、安価なスマートフォンの登場などにより、スマートフォン普及率が近年急速に上昇している。
総務省の平成29年度の資料時点で、携帯電話の人口普及率が最も低い水準であるというアフリカでもすでに8割を超えており、近年は先進国と途上国との間にそれほど大きな差はなくなっている。同資料によれば、従来型の携帯電話に代わってスマートフォンが開発途上国においても普及が進んでいることから、スマートフォン経由でインターネットにアクセスする環境は整備されつつあるようだ。しかしながら近年では、インターネットの利用料金が障壁となり普及が進まないといった点も課題視されている。
こうした機運を背景に、アフリカ各国においては、ICTを通じた経済発展や、社会課題を解決していく取り組みが進められている。ICT教育への取り組みが活発化している地域のひとつであるガーナを拠点とするNGOAfrica ICT Rightは、ICT活用を通じてアフリカの教育、健康、ジェンダー、農業分野に関する国家問題に対処するために設立された団体である。
十分なサービスを受けられていない子どもへ質の高い教育を提供

Africa ICT Right 公式サイトより引用
寄付金全体の約96%はパートナーや寄付者から資金提供を受けた特定のプログラムやプロジェクトの実施をサポートするために使用。残りの4%は日々の運営費をカバーするために使用しているという。
Africa ICT Rightが展開する6つのプログラム
Africa ICT Rightが展開しているプログラムは主に6つ。各プログラムの内容は以下のとおりだ。
農業プログラム

Africa ICT Right 公式サイトより引用
Africa ICT Rightは農業プログラムにて、スマートフォンアプリを通じて、オーガニックで環境に優しい農業技術を手頃な価格で提供。小規模農家のスキルアップを目指すとともに、農村部の生計の持続可能性を高めることを目的としている。
教育プログラム

Africa ICT Right 公式サイトより引用
Africa ICT Rightの教育プログラムでは、学校にコンピューター・ラボを設置したり、STEMの教師にICTを教育や学習に取り入れる方法をトレーニングしたりすることで、教育へのアクセスと質の向上を目指す。
ジェンダープログラム

Africa ICT Right 公式サイトより引用
そこでAfrica ICT Rightはジェンダープログラムにて、学校やテクノロジー企業と提携し、STEM分野での機会を追求するためのコーディングやデジタルのスキルとリソースを女子高生へ提供。テクノロジー分野における男女格差を埋めることに重点を置いている。
健康プログラム

Africa ICT Right 公式サイトより引用
Africa ICT Rightの健康プログラムは、これらの割合を減らし、医療へのアクセスを向上させることを目指すというもの。
地域の医療従事者と妊婦に携帯電話を持たせて、重要な妊娠・出産の情報を母国語で(テキストや音声で)送受信するように促すことで、地域の医療システムを改善し、妊婦と乳児の死亡率低減を目指す。
STEMプログラム

Africa ICT Right 公式サイトより引用
Africa ICT RightのSTEMプログラムでは、最先端のSTEMラボを設立し、STEM教育者となる教師を訓練。教育インフラを整え、生徒の可能性を引き出す。
さらに、エンジニアリング、コーディング、エレクトロニクス、ロボット工学のプログラミングなど、学校向けに放課後STEMクラブプログラムを提供する。
青少年エンパワーメントプログラム

Africa ICT Right 公式サイトより引用
Africa ICT Rightの青少年エンパワーメントプログラムでは、提携校に起業家精神クラブを設立。生徒に実際の収益を上げ、収益を維持する本物の零細企業の立ち上げと管理に必要なスキル、リソース、メンターシップ、ガイダンスを提供する。