【デンバー時事】米新興企業が日本企業と組み、大気中の二酸化炭素(CO2)の回収に乗り出す。提携先の施設にCO2回収装置を整備し、都市ガスやコンクリート建材の製造などにそのCO2を再利用できるようにすることで、脱炭素化を支援する。

 新興企業は、西部コロラド州に本拠を置くグローバル・サーモスタット。2010年創業で、大気中からCO2を回収する「DAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)」と呼ばれる技術の開発を手掛けている。まずは出資を受けている東京ガスと実証実験に取り組む。CO2と水素で都市ガスをつくると、燃焼時の排出量を実質ゼロとみなせる。

 他にコンクリートや合成燃料、炭酸飲料の製造、農作物の温室栽培などCO2を用いるさまざまな日本企業とも協業を目指す。既に複数のメーカーや商社などと交渉を始めており、日本の国内外で実証実験や展開を視野に入れている。

 取材に応じたポール・ナヒ最高経営責任者(CEO)は「日本には世界有数の製造業があり、政府もエネルギーの脱炭素化に積極的だ」と日本進出の背景を説明。また、気候変動対策にはCO2の排出抑制だけでなく、世界で大気中から「年間数十億トンの回収が不可欠」と指摘し、産業として「現在の石油・天然ガスと同規模に拡大させる必要がある」と強調した。

 同社が開発した装置の仕組みは、大気を中に取り込み、化合物を塗布したブロックを通過させてCO2を吸着。そのブロックに蒸気を当て、放たれたCO2をとらえる。実証実験では年間10トンを回収できるコンテナサイズの装置を使用するが、30年までに回収量が同100万トンの大規模設備の稼働を目指す。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/02/03-14:55)

提供元・Business Journal

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