トランプ前大統領の支持基盤、MAGAの目下の標的はバイデン大統領でもなく、ニッキー・ヘイリーでもない。国民的人気歌手テイラー・スウィフトにあるようだ。
ローリングストーン誌によると、トランプ氏に近い情報筋は、スターとの戦いを「聖戦」と呼んだという。
テイラーが11月の選挙に向けてバイデン氏の支持を表明すると睨んだもので、保守派メディアの司会者らは、テイラーの参入を遠ざけようと必死だ。
FOXニュースのパーソナリティ、ジェニー・ピロ氏は「なぜ彼女ほどの人気者が、ファンであるスウィフティーたちを仲間外れにするのか。ファンはあらゆる政治的イデオロギーにまたがっている。なぜ自分を一つの領域に置くのか」と主張。「だから関わるんじゃない。政治に関与するな!われわれはそんなところであなたと会いたくない」と語った。
Judge Jeanine Pirro on Taylor Swift: "So don’t get involved, don’t get involved in politics! We don’t want to see you there!" pic.twitter.com/oXlbTLesiq
— Justin Baragona (@justinbaragona) January 29, 2024
同じくFoxニュースの大物司会ショーン・ハニティ氏は、「テイラー・スウィフトは、共和党が人種差別主義者で性差別主義者、同性愛嫌悪、外国人嫌悪、トランスフォビア、イスラム嫌悪で中絶の全面禁止を望んでいるという嘘をすべて丸呑みしているのかもしれない」とした上で、「彼女は2024年について決断をする前によく考えたほうが良い」と忠告した。
トランプサポーターらがテイラーの動向を警戒するのはもっともだろう。テイラーは2020年大統領選ではバイデン氏を支持している。さらに先日、ニューヨークタイムズは、バイデン陣営の選挙対策のウィッシュ・リストに、対トランプ戦略として、テイラーをはじめとする超大物セレブやSNSのインフルエンサー、著名な政治家からの支持が含まれていると報じた。
テイラーの影響力を示す世論調査もある。1月にニューズウィークの依頼で実施された調査では、有権者の18%がテイラーが支持する候補者に投票する可能性が「より高い」または「かなり高い」と回答した。一方、17%はテイラーが支援する候補者に投票する可能性は低いと回答。55%はどちらでもないとした。
なおトランプ氏自身といえば、私的な会話の中で、セレブの支持はバイデン氏の助けにならないと主張し、テイラーよりも自分は「人気」があり、支持者らはスターのファンたちよりも献身的だと話すなど、自信を示しているという。
投票行動で言えばトランプサポーターの方が熱心かもしれないが、人気ではテイラーに分がありそうだ。