「トロイの木馬に感染しました」の警告が出たときの注意点
PCやスマートフォンに「トロイの木馬に感染しました」のような警告表示が出ても、慌ててはいけません。本当は感染していないのに、感染したように見せる「偽の警告」が出ることもあります。
感染していないのに「偽の警告」が出ることもある
愉快犯がいたずら目的で「偽の警告」を出すこともありますが、詐欺目的の犯人もいます。トロイの木馬やマルウェアに感染したと偽の警告を出し、対処のために偽のセキュリティソフトを購入させるような詐欺です。
このような偽の警告はいかがわしいサイトを見ているときに出ることが多いです。感染源を人に言いにくいため、相談しづらいうえ、「もしも人に知られてしまったら」と焦らせ正常な判断力を奪う効果もあります。
本物の警告の見分け方
本物の警告と偽の警告を確実に見分ける方法はありません。というよりも、「確実に見分けられる」という気持ちは油断を生みます。確実な方法はないという前提でいることで冷静さや疑う姿勢を保ちやすくなり、偽の警告に騙されにくくなります。
警告が出たとき、まずはその警告をどのソフトが出しているのかを確認しましょう。警告を出しているソフトをダウンロードした覚えがないなら、偽の可能性が高いです。
もちろん、ソフト名が偶然一致することもあります。ダウンロードしたソフトの名前で警告が出ているからといって、すぐに信じてはいけません。まずはホーム画面やデスクトップ画面からダウンロードしたセキュリティソフトを開き、端末をスキャンしましょう。
警告の内容から偽者をある程度見分けることもできます。次のような警告は偽物の可能性が高いでしょう。
偽の警告の特徴
- 派手・異常なアラート音がなる
- セキュリティソフトの購入を促している
- 個人情報やクレジットカード情報の入力を促している
- 事前の支払い確認がなかったのに、利用料の請求をする
- 支払い方法がギフトカードや電子マネーなど、足がつきづらいものである
- 「〇時間以内に連絡してください」のような、焦らせるような文言がある
- 「連絡がなければ請求書を送ります」のような、脅しと取れる文言がある
- 画面が点滅したり色使いが派手だったり、不安を煽るようなデザインで表示される
トロイの木馬の警告が出たときは冷静に対処しよう
- トロイの木馬の感染には気づきづらい
- 普段から感染防止を心がけることが大切
- トロイの木馬の警告が出ても焦らない
正常なソフトウェアを装い、バックグラウンドで不正な動作をするトロイの木馬は、感染になかなか気づけないでしょう。トロイの木馬に対応したマルウェアを導入し、感染の防止・検知をすることが大切です。
ほかにも「フリーWi-Fiに接続しない」「不審なメールやSMSに添付されたURL・ファイルを開かない」「OSを定期的にアップデートする」など、普段からの対策を心がけましょう。
メールやSMS、SNSのDMなどに少しでも違和感を感じたら、確実に本人と連絡が取れる手段で確認することをおすすめします。メールに返信するのではなく、電話やアドレス帳からメール以外の方法で連絡をしたりするのがよいでしょう。
トロイの木馬に感染したり、感染したと警告が出たりしても焦ってはいけません。このような警告には偽のものもあります。
警告が本物だとしても、感染拡大を防ぐために端末をネットワークから切断したり、感染の可能性がある端末をセキュリティソフトでスキャンしたり、すべきことはたくさんあります。焦らず冷静に対処しなければ、感染した端末を見逃したり関係者への連絡が遅れたり、深刻な二次被害が起こるかもしれません。
本記事を参考に、トロイの木馬についての知見を深め、いざというときに冷静に対処できるようになりましょう。