タックル

サオだが、源流域といって短いサオではなくできれば5.5mのマルチタイプの硬硬調でチューブラー穂先をお勧めしたい。源流域では木が覆いかぶさり、基本仕掛けの振り込みはアンダーキャストになる。それと良型が掛かると、一気に下流の落ち込みに走る傾向にあり、それを止めるにはパワーのあるサオが必要となる。また源流域の魚は非常に敏感で、ポイントに近づき過ぎると魚が逃げてしまう。

1匹が走ると、そのポイントの魚は全て石の下に隠れてしまい釣れなくなる。ポイントから離れて釣るためにも、仕掛けは例えば全長3mを使用した場合、サオを伸ばしたり畳んだりしやすいマルチロッドが活躍する。

サオはメインと予備の2本が望ましいが、予備ザオがない場合でもメインのサオの替え穂先も持っていこう。サオが折れては釣りにならないが、そのほとんどは穂先が折れることが多いため、予備を持っていくことをお勧めだ。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説いつまでも豊かな渓であるように(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

エサだが私は早期はミミズ、5月以降はブドウムシを1パック持っていく。それ以上は持っていかず、エサがなくなったらよく釣れた証拠なので、満足して帰るようにしている。

前述した通り基本ネイティブを対象にしているので、家族で食べる分をキープしたら後はリリースしている。私は師匠からアユの1束は100、アマゴは10匹だと教わった。以前地元が台風被害に遭い、2年ほど入渓禁止になった渓があった。

入渓が解禁となった年は良型がよく釣れ、人が入らないとこんなに魚が増えるのかと喜んだものだ。しかし別の沢ではネットで紹介され、魚が枯渇した所もある。キープサイズや数は釣り人の良心に委ねたいと思う。

源流域では魚は自然孵化に頼らなくてはならない。一部では有志の人が発眼卵を放流したり、枯渇した沢に釣った魚を放流していることもある。いつまでもきれいな魚が釣れる渓を残していきたい。

また今回はエサ釣りを前提にしているが、もしあればワンピースのルアーロッドとリールを持って行くことをお勧めする。源流とはいえ滝壷などサオが届かないポイントでは、ルアーで大物が釣れることがあるし、ルアーでも十分楽しめる。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説源流では魚の食いはいい(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

最後にクマ除けの鈴と笛は忘れないでほしい。今冬は特に各地でクマの被害が多くなっている。特に春先は、冬眠明けのクマと遭遇する危険性がある。基本的にクマは臆病だといわれているが、定期的に笛などを吹いてクマの方から逃げてもらうようにする。

なおも過去に一度クマに遭遇した。その時は沢の石がひっくり返され、木にはツメ痕があった。笛を吹きながら林道に出ると、山に走っていくクマを見てほっとしたものだ。後あれば落石から守るために、ヘルメットの持参もお勧めしたい。