HONDA CL500の車種プロフィール
今回紹介する「CL500」は、2023年に発売された水冷4ストローク・2気筒の500ccエンジンを搭載するスクランブラーモデル。同時発売したCL250とは兄弟モデルとも言える関係で、エンジン以外は車体コンポーネンツのほとんどを共通している。そのエンジンはレブル500にも搭載されている直列2気筒471ccで、アシストスリッパークラッチを採用クラッチを採用することでレバーの操作荷重軽減、シフトダウン時の後輪ホッピング軽減に貢献してくれる。スクランブラースタイルということで、CL250同様にセミブロックパターンのタイヤ履き、舗装路からフラットダートに至るまで幅広い路面状況に対応することができる。
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バイクインプレ
車両の特徴
車体サイズは全長が2175ミリ、全幅830ミリ、全高1135ミリ、シート高790ミリ、ホイールベースは1485ミリで、車両重量は172kgとなっている。
キャスター角は27.00度、フロント110/80-19インチ、リア150/70-17インチのタイヤサイズを採用。前後ともにキャストホイールにチューブレスタイヤを装着している。
エンジンは水冷4ストロークDOHCの2気筒。ボアストロークは67.0ミリ×66.8ミリのショートストローク。圧縮比は10.7で最高出力は46馬力/8500回転、最大トルクは43Nm/6250回転。燃料供給はフューエルインジェクションで、トランスミッションは6速仕様だ。
走り
波打つようなトルク変動がライダーに伝わる魅力的なエンジン
エンジン以外の車体構成がほぼほぼ同じということで、どうしてもCL250を比較対象として持ち出してしまうが、エンジンの排気量が単純に倍となっていることもあり、峠道での走りも明らかに余裕が感じられる。2速ホールドのままで元気に回しながら走ってみるが、レブリミットまでは十分な余裕があるので無理なくスムーズに回っている。180度クランクを持つ並列2気筒エンジンの味わいを語られる場面というのは決して多くないはずだが、このエンジンに限っては低回転域からスロットルを大きく開けた時のフィーリングが本当に気持ち良く、非常にまろやかで大きく波打つようなトルク変動がライダーにヒシヒシと伝わってくる。その時のドロドロッとした排気音が、とても心地良い。
エンジンが替わったことで乗り心地が良くなるという副作用
エンジンが替わっただけで他はCL250と大差ないと先述したが、実際に乗ってみるとエンジンが替わったことで足回りは相当ソフトになっているような気がする。というのも、前後ともCL250と同じサスペンションを採用している(ハズ)ところに、明らかに大きくて重たくなったエンジンが搭載されたことで、車体はギャップを拾った時も基本的には動きにくくなった。それをカバーするためにサスペンションは忙しく動かなくてはならなくなったので、前後ともにサスペンションが柔らかく、しなやかになったように感じられるのだと思う。結果的にはCL250よりも乗り心地がずいぶん良くなったようだ。
総括
エンジンと車体のバランス関係に言及すると、CL250の場合は軽くてライトパワーなエンジンを搭載するだけに、車体の方が勝っていたように思えた。しかし、今回のCL500の場合は重くてソレなりのパワーがあるエンジンなだけに、車体よりも勝っているようだ。それだけにコーナリングで加重が掛かった時などは車体のしなりも感じられ「やや危うい、リスキーな味わい」が感じられる。もちろんそれは不安定で危険な状態を指しているわけではなく、豪快にバイクを乗りこなしているような感覚が味わえるという意味なので、適度な危うさを楽しむことを考えるならば間違いなくCL500だろう。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。