日本代表DF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)は、1月31日開催のAFCアジアカップ決勝トーナメント1回戦・バーレーン戦で出番なし。左サイドバックにおけるポジション争いのライバルであるDF中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC)がフル出場しているが、日本代表OBの田中マルクス闘莉王氏は伊藤の出場を望んでいたという。
日本の左サイドバックでは、中山がカタールW杯直前にイングランド2部リーグ戦で大怪我を負って以降、伊藤が1番手に。中山は昨年10月のA代表復帰後コンスタントに招集されているが、アジアカップ開幕から2試合つづけて出番なし。インドネシア戦ではスタメン出場も後半に疲労の色を隠せなかった。
しかしバーレーン戦で再びスタメンに名を連ねると、前半から攻守で存在感を発揮。MF三笘薫(ブライトン)が途中出場した後はオーバーラップを仕掛けることなく内側にポジションを取るシーンも。後半アディショナルタイムには裏のスペースを突くスルーパスから、三笘の決定機を演出した。
左サイドバックのポジション争いに注目が集まる中、闘莉王氏は今月1日夜に自身のYouTubeチャンネル『闘莉王TV』を更新。インドネシア戦後に「全体的なパフォーマンスを比較して、中山よりも伊藤の方が上」と評していたことについて訊かれると、以下のようなコメントを残している。
「バーレーン戦で伊藤(のプレー)を見たかった。ひとつのこと(ミス)が起こると、また同じようなことが起こりやすくなるという。今、右サイドバックで起きていることが、左サイドバックでも起きている。(右サイドバックでは)菅原由勢にかわって毎熊晟矢がスタメンとして出ている。どっちかと言えば、毎熊の方が調子が良い」
「左サイドバックだと、中山が先発しているけど、どちらかと言えば伊藤の方が調子が良いのかなと。サイドが違うとはいえ、同じことが起きているのかなと思う。(森保監督としては)どちらかというと、中山が出た方が安心するのかな。ただお互い同じレベルにはいる」
「(森保監督が)オレと同じ感じなのかな。中山はあまりイージーミスがない。いくらパフォーマンスが落ちたとはいえ、イージーミスで失点に絡むことはあまりない選手。伊藤の方がミスに絡む。余計なイージーミスで失点に絡む場面が多い」
DF菅原由勢(AZ)は右サイドバックでアジアカップ開幕から2試合連続スタメン出場も、守備面で不安定なパフォーマンスを露呈。インドネシア戦以降はDF毎熊晟矢(セレッソ大阪)にスタメンの座を明け渡している。今回の闘莉王氏の発言は、菅原と同じく、左サイドバックでも伊藤のミスを見たかったと解釈可能なだけに、ファン・サポーターの間で波紋を呼びそうだ。