3.8へ改めて作ることを本決まりに

グンゼ(現GSIクレオス)製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作りみす、というこの連載。今回は前回に引き続き、インテリア関連の作業である。

今回行った作業は画像とキャプションでご確認いただきたいが、このあたりですこし詳しく述べておこうと思うことがある。それは前回も書いたが、キットの4.2Lのままではなく、3.8Lとして完成させようという考えのことだ。このあたり、ただ単にキットのまま作るのではつまらない……というような、オタク的なへそ曲がり根性の発露とも思われてしまいそうなので、そこをちょっと詳述しようと思う。

そもそも、キットのエンジン周りなどに3.8Lと4.2Lのディテールが混在していることは、すでに第7回の写真キャプションでも触れていた。特に、ボンネットを開けなければ見えることのないエンジン関連だけではなく、普通に見えっぱなしになるマフラー(リアサイレンサー)の形が4.2ではなく3.8のそれであることは、由々しき問題である。

私が参照しているパーツカタログは、Eタイプの専門店さんが現在ネット上で公開しているもので、「リビルド」というような表記もあり、すべてが当時のパーツ形状で描かれているのかは若干疑問が残るのだが、見つけられた数多くの実車写真でも、4.2と3.8ではマフラー形状が違う。これはやはり、キットのマフラーは3.8のものなのだろう。

とは言っても、マフラーの形状は基本的には円筒の組み合わせなので、自作しようと思えばできそうだ。エンジン関連をよく見ると4.2の場合のディテールで作られているパーツもあるので、どちらにしようかはまだ決めかねている……というのがちょっと前までの私の態度だったのだが、先日パーツカタログをちゃんと見直して気が付いた。4.2と3.8で違うディテールの部分は、このキットのエンジン関連パーツは全て3.8になっているのである。

以前の私がどの部分を「これは4.2の形だな」と判断したのか、今となっては思い出せない。しかし、これはおそらくエンジン前面に付くウォーターポンプだったのではないかと思う。と言うより、この部分については判断を保留していたのかもしれない。というのは、ウォーターポンプについては後側からの見た目でパーツの絵が描かれていることに、今回やっと気がついたのである……。

シートひとつも注意深く吟味!旧グンゼ製ハイテックモデル「ジャガーEタイプ」を地道に作ってみる・第18回
(画像=前回の内容は、フロアトンネル/センターコンソールを、エレールのキットから移植するというものであった。このパーツには1ヶ所明らかにおかしなところがある。スピーカーのモールド位置だ。これではトランスミッションの代わりにスピーカーが載っていることになってしまう。『CARSMEET WEB』より引用)

3.8用のシートパーツは現在手元に2種類あるのだが…

と、そこで問題になるのが、シートのパーツをどうするかだ。キットには、四角く分厚いシートが付いている。横にエッチングの金具を付けることになっているので、おそらくリクライニング可能というか、シートバックは前に倒せるのだろう。これは4.2のシートである。一方、3.8のシートは、動きそうもないシートバックがペラッとくっ付いている、丸っこい形の、若干簡素なバケットシートだ。そのためキットのパーツは使わずレベルのそれに交換するということは、前々から考えていた。

……とは言っても若干気持ちに揺らぎがあって、それは「エレールのシートでもよいのでは?」ということである。なんでもかんでもエレールのパーツに交換するのも勿体ないことだし、そもそも私はエレールのキットをこのために潰してしまう気はないのだが……どうしたものか……と考えたところで、やっと思い出した。前回書いたように、エレールは4.2にして作るつもりなのである。自分で決めて忘れていたのだが、それならシートをトレードしても全然構わないわけだ。

そこで今回どちらのパーツを使うかを、両者を比較して考えたのだが、色々検討の結果、やはりエレールのパーツを使うことに決めた。タイトルの写真はレベルのシートを合わせた状態であり、今回出した結論とは違うのだが、エレールのパーツは真っ黒なため、何が何だか分からない写真になってしまうので……。

キャプションにはエレールのパーツに決めた理由を書いておいたが、実際のところ、実物はおそらく張り替え・リビルドばかりなのであろう、同じ3.8のシートであってもみな微妙に形が違う。その中にはレベルのパーツそっくりな形状のシートも存在していたことを、念のため書き添えておこう。

作例制作・写真・文章:秦 正史

文・秦 正史/提供元・CARSMEET WEB

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