映画に登場するガンマンや警官は、使用後の銃を腰に装着したホルスターに戻す。しかし実際は、映画のようにスムーズにいかないことも――。米インディアナ州に住む男性、マーク・アンソニー・ジョーンズさん(46)を襲った悲惨な出来事を紹介しよう。
同州マリオンで2019年2月28日、ジョーンズさんは拳銃をホルスターではなくズボンのウエスト部分に差し込んでいた。その拳銃が歩行中にずり落ちてきたので、位置を調整しようと手を伸ばした――と、次の瞬間、誤って引き金を引いてしまい不幸にも銃弾がペニスに命中してしまった。ジョーンズさんはマリオン総合病院の救急救命科に搬送されたが、拳銃所持の許可を得ていないことが判明したため、マリオン警察署に通報されたのだ。その後、事件は検察に送られた。
銃社会では、銃で自らのペニスを撃ってしまう事件がしばしば報告されている。フィリピン・ルソン島北西部のイロコス地方で2018年12月1日、50歳の男性がペニスを負傷して病院へ搬送された。警察によると、彼は放尿中、ベルトに括り付けていた拳銃に誤って触れてしまい、銃弾が発射されたという。残念ながら彼のペニスは修復不可能で、外科手術によって除去することとなった。しかも、彼は銃の不法所持で告訴されたため、去勢された挙句に前科までついてしまうという、踏んだり蹴ったりの事件だった。
同年4月には、米カンザス州東部のショーニー郡でも、銃で自らのペニスを撃った男性が救急車で病院へ運ばれる事件が起こった。さらに前年11月、イリノイ州シカゴでは、ホットドッグスタンドを襲撃した19歳の男が、現場から逃げる際にズボンに銃を入れようとして誤って発砲し、ペニスを負傷する事件が発生している。彼は逃走に失敗して逮捕された。
銃社会の危険性というと銃乱射事件や銃撃戦などがイメージされるが、それよりもっと身近なところにリスクが潜んでいるということがわかるだろう。男性の象徴を失いたくなければ、拳銃をズボンに入れて持ち歩いてはいけない。
(文=標葉実則)