鈴木楽器製作所は、米国LAで開催された、楽器展示会NAMM SHOWにて「オムニコードOM-108」を7月に発売することを発表した。
数十年ぶりの復活となる同商品をチェックして欲しい。
オートハープという楽器の電子化を目指し開発
「オムニコード」は1981年に同社が発売した電子楽器で、オートハープという楽器の電子化を目指し開発した。パネル上に並んだ「C」や「Am」といった任意のコードボタンを押しながら、ストラムプレートというハープセンサーに指をスライドしたりタップしたりすると、コードと対応した音(アルペジオ)が、ハープやギターを弾いた時のように鳴るというもの。
オムニコード復刻の経緯
曲に使用するコードネームさえ把握すれば、楽器の経験も五線譜すら必要なく演奏できることや、持ち運べる手軽さとが相まって、発売から間もなく特に欧米で人気となった。また80年代特有のユニークな電子音と、「オムニコード」ならではの音楽表現がミュージシャンにも支持され、プロモーション写真や曲、アルバムのタイトルにも使用されている。
「オムニコード」として最後のモデルOM-300(1996年発売)の販売終了後も人気は続き、再販をのぞむ声に応え「OM-108」として復刻する。
コードの音色を当時と同じくアナログ回路で復刻
「オムニコード」は発売後モデルチェンジをしながら複数モデルを販売してきた。
歴代モデルの中でも、その音色と汎用性の高さで人気の高かった「OM-84」(1984年発売)の音の再現にこだわり、ストラムプレートに設定できる10音色の中で「omni1」「omni2」とコードの音色を当時と同じくアナログ回路で復刻した。
歴代最多の108コードが演奏可能
一方で「major」「diminish」といったこれまでの7コードタイプの他に「sus4」と「add9th」のコードを加え、歴代最多の108コード(12ルート×9タイプ)が演奏可能に。また新たなリズム「hip hop」や打楽器音の搭載など、現在の音楽シーンでより活用しやすい仕様へとアップデートした。
楽器未経験者もプロミュージシャンも遊べる楽器
同商品には多くの電子楽器に搭載されているディスプレイはなく、ボタンやつまみで設定した状態がそのまま鳴る。楽器未経験者にとっては直感的で分かりやすく、プロミュージシャンにとっては、パネル上で音を創りこみながらリアルタイムなプレイを可能にするインターフェイスだ。
キーボードやリズムマシンのような使い方や、MIDI OUTによる音色の拡張も可能。気軽に、マニアックに、奏者に合わせた楽しみ方ができる。
同商品はオープンプライスで、市場想定価格が¥77,800(税込)。専用ソフトケース¥16,500(税込)も同時発売する。
楽器が趣味な人はもちろん、これから楽器を始めたい人にも同商品は最適ではないだろうか。
(角谷良平)