マツモト建築芸術祭実行委員会は、第3回となる「マツモト建築芸術祭(マツモト建築芸術祭2024 ANNEX)」を、2月23日(金)~3月24日(日)まで31日間の日程で開催する。
同芸術祭のメイン会場は、国宝・松本城に隣接し、まもなく取り壊される旧松本市立博物館に決定した。この貴重な機会を逃さず訪れてみてはどうだろう。
松本市に数多く残る名建築とアートの競演
「マツモト建築芸術祭」は、実行委員長・齊藤忠政氏の呼びかけのもと、一昨年からスタートした。そのコンセプトは「名建築にアートが住み着くマツモトの冬。」だ。
長野県松本市の大きな魅力の一つである、ノスタルジックな建築物を会場にアート作品を展示。その対比・融合・共鳴により、そこから生まれる新たな変化を、松本のさらなる活性化につなげようという趣旨だという。
松本市には国宝・松本城や旧開智学校だけでなく、なまこ壁の土蔵造りの建物や、正面を西洋風に装飾した看板建築と称される店舗兼住宅など、日本の近代化を象徴する様々な建築物が数多く残り、独特の街並みを形成している。
同芸術祭では、普段の暮らしの中に存在する「名もなき建築」の価値をより多くの人たちに知ってもらい、その活用に向けての後押しをすることも目標としている。また、人気観光地でありつつも訪れる人が減る冬の時期に開催することで、松本の街の賑わいにも寄与したいとの思いがあるという。
その来場者数は、一昨年の23日間開催で延べ65,000⼈、昨年の23日間開催で延べ81,500人を超えた。
ちなみに昨年は、松本の中心市街地の19の建物を会場に、17名のアーティストが参加。ライブパフォーマンスやトークイベントも行った。
第3回となる今年は、松本城内に建つ旧松本市立博物館をメイン会場として開催予定だ。同館の取り壊し前に開催される最後のイベントとなる。
松本市の中心部に数多く存在するノスタルジックな名建築とアートの競演を、県内外はもとより世界中の人に広く楽しんでもらおうという「マツモト建築芸術祭」。
同芸術祭がきっかけとなり、古い建築物の活用と保存への意識も高まっているという。松本の芸術文化振興や観光の付加価値を高めることに加え、失われゆく建築物を生きた形で活用するための啓蒙として、同芸術祭の意義は大きいといえるだろう。
第3回 マツモト建築芸術祭(マツモト建築芸術祭2024 ANNEX)
会期:2月23日(金)〜 3月24日(日)
会場:メイン会場/旧松本市立博物館、他会場/新松本市立博物館1F、信毎メディアガーデン
所在地:長野県松本市丸の内4-1 ※メイン会場
入場料:メイン会場 2,000円 ※その他会場は無料
(高野晃彰)