上田綺世 写真:Getty Images

 日本代表OBの田中マルクス闘莉王氏は、AFCアジアカップ・グループステージ第2節イラク戦後に、FW上田綺世(フェイエノールト)、FW前田大然(セルティック)、FW浅野拓磨(VfLボーフム)を「トリプルヘボ」と酷評。第3節インドネシア戦後には2ゴールの上田に対して「ヘボ返上は無理」と厳しい視線を送っているが、この“ヘボ発言”が物議を醸している。

 MF久保建英(レアル・ソシエダ)がトップ下、MF南野拓実が本職ではない左サイド、浅野が前線1トップでスタメン出場したイラク戦は、攻撃陣が不発。南野が中央寄りのポジションをとることにより、久保が右サイド寄りに流れるなど、全体のバランスが悪く、攻撃時に使えるスペースが限定されたことが原因だと指摘されている。また途中出場の上田は存在感を発揮できず、前田は83分に右サイドからの南野のクロスに飛び込んだが、ヘディングシュートは枠の外へ。決定機をものにできなかっただけに、闘莉王氏をはじめ周囲からの批判に晒されていた。

 ただインドネシア戦では、トップ下でスタメン出場の久保、右サイドで抜てきされたMF堂安律(SCフライブルク)の連係プレーから、何度も相手守備陣を突破。先発出場の上田は5分にPKを決めると、後半開始早々にも追加点をマーク。88分には右サイドからFW伊東純也(スタッド・ランス)がグラウンダー性のクロスをゴール前に供給。上田がペナルティエリアからシュートを放つと、ボールは相手選手に当たりゴールマウスへ。上田のハットトリック達成かと思われたが、記録はオウンゴールだった。

 闘莉王氏は27日夜にYouTubeチャンネル『闘莉王TV』を更新。インドネシア戦出場選手の採点をする中、上田について「ストライカー的な、『俺が決めるんだ』という気持ちを俺らも買わないといけない。今日のMVP」とメンタリティーを評価。

 PK獲得のシーンにおける身体の使い方を称えたほか、「今回の勝負を決めてくれた。PKの蹴り方が素晴らしい」と述べつつも、「インドネシア戦でヘボを取り返すなんて無理」とイラク戦後の“ヘボ発言”に言及。「韓国、サウジアラビアとの対戦でハットトリックしてくれたら、俺は謝りますよ」と謝罪予告も飛び出した。

 この“ヘボ発言”に対して、YouTubeのコメント欄で「ヘボって誹謗中傷だよな」「ヘボで再生回数稼ぎ」「上田綺世より闘莉王の方がヘボ」などと批判が噴出。「セルジオ越後みたいに、ただ批判するだけの代表OB」「悪口ユーチューバー」「完全に時代に取り残されている」「代表批判以外の動画が再生回数伸びないから、頑張っているんだよな」「批判はいいことだと思うけどヘボってのは気持ちいい人あまり居ない」といった声も挙がる一方、「日本人の有名人は代表を批評出来ないので、闘莉王さん、本当に貴重です!」「日本は、なぜか批判は嫌われますが、正しい批判、日本が強くなる為の批判だと思います」と、闘莉王氏を擁護するファン・サポーターもいる。今月29日に決勝トーナメント1回戦バーレーン戦を控える中、南アフリカW杯出場経験を持つ闘莉王氏の評論に再び注目が集まっている。