ディエゴ・ピトゥカ 写真:Getty Images

 V・ファーレン長崎はファビオ・カリーレ監督を巡る問題で、ブラジル2部降格クラブのサントスや同監督などを相手どり国際サッカー連盟(FIFA)に提訴すると公式発表。サントスは敗訴の場合に7億円規模の違約金支払いに迫られる可能性があると現地で報じられている。それにも関わらず、鹿島アントラーズからサントスへ移籍したMFディエゴ・ピトゥカは、アル・ヒラル所属FWネイマールの復帰を熱望。自身の移籍の裏側も語った。今月26日、サントスの専門サイト『Diario Do Peixe』が同選手のコメントを伝えている。

 カリーレ監督については、長崎が昨年12月4日に2024シーズンの契約更新を公式発表したにもかかわらず、サントスがおよそ2週間後の19日に同監督の招へいを発表。カリーレ監督と長崎の契約が今年1月1日に終了していたとして、サントスは違約金を支払う必要がないと主張していた。

 この主張に対して、長崎は19日夜に公式サイトを通じて「サントスFCならびにファビオ カリーレ監督、レアンドロコーチ、デニスコーチおよびセザールコーチに関して、国際サッカー連盟(FIFA)に提訴することを決定いたしました」と、ファン・サポーターやスポンサー等に報告。『Diario Do Peixe』は23日に「カリーレ監督に対する違約金は150万ドル(約2億2200万円)、コーチについては一人当たり100万ドル(約1億4800万円)。総額で450万ドル(約6億6400万円)だ」と報じている。

 FIFAでの法廷闘争に敗れた場合、巨額の違約金支払いにより新戦力の獲得が困難と予想されるサントス。財政難に陥る可能性もあるが、ピトゥカは『Diario Do Peixe』のインタビューで「ネイマールと一緒にプレーしたいと思わない選手はいないはずだよ。2025年までに彼がサントスに戻ってきて、僕たちを助けてほしいね。誰もがネイマールのサントス復帰を期待していると思う」とコメント。現在アル・ヒラルで年俸1億5000万ユーロ(約232億円)を受け取っているブラジル代表FWの古巣復帰を期待しているのだ。

 そのピトゥカは2021年1月にサントスから鹿島へ完全移籍。鹿島で3年間プレーしたが、サントスが昨年7月に「ピトゥカは我々と4年間の事前契約を結ぶ」と一方的に声明を発表したことが物議を醸した。

 サントス復帰の裏側を訊かれたピトゥカは「事前契約にサインして、ずっとこのクラブに戻りたいと思っていたんだ。鹿島にいる時、代理人にはつねに『ブラジルに戻りたい』と話していたね。(頭の中には)サントス復帰しかなかったんだ。初めてアレクサンドレ・ガロ(サントスのチーム・コーディネーター)と話した時、サントスが2部であろうと関係ないとはっきり伝えたね」と回想。鹿島時代から代理人と水面下で古巣復帰にむけて計画を練っていたことを明かしている。