前川黛也 写真:Getty Images

 日本代表GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)は、今月24日開催のAFCアジアカップ・グループステージ第3節インドネシア戦でも失点。ここまで全3試合でいずれも失点と結果を残せていない中、日本代表OBの田中マルクス闘莉王氏はGK前川黛也(ヴィッセル神戸)、GK野澤大志ブランドン(FC東京)などGK陣のレベルについて自身の見解を述べている。

 GKシュミット・ダニエル(STVV)などカタールW杯出場組が不在の中、アジアカップ開幕前は鈴木に対する期待が集まっていた。しかしベトナム戦、イラク戦と立て続けにミスからの失点が目立つと、鈴木のスタメン起用を巡り議論が白熱。インドネシア戦では被シュート3本のうち、1本がDFプラタマ・アルハンによるロングスローからの失点だった。

 闘莉王氏はインドネシア戦翌日の25日夜にYouTubeチャンネル『闘莉王TV』を更新。インドネシア戦出場選手の採点をする中、鈴木のアジアカップ3試合連続失点について「彼が悪いとか技術がないとかいう問題ではない。この流れで本人の中でも『シュート打たれたら点取られるぞ』という雰囲気になっている(と思う)」と分析した上で、「一旦この流れを切るために、鈴木をベンチに座らせる。森保監督としては考えなきゃいけない策」と、日本代表指揮官にGK交代を推奨。

 ただ前川、野澤と鈴木以外のGKも代表キャップ数が少ないだけに、闘莉王氏は「(鈴木に代わるGKのレベルが)今、日本代表で一番の問題。みんな、低いレベルでの一線でGKのポジション争いがずっと来ている。Jリーグ(のクラブ)も悪い。外国人のGKを使うのではなく、自分たちで育てるべき」と、韓国人選手をはじめ外国籍選手に依存しているJリーグクラブのGK事情に批判の矛先を向けたほか、「ナラさん(楢崎正剛)、能活さん(川口能活)、下田さん(下田崇)も悪い。GKコーチの皆さんが悪いんです」と日本代表コーチ陣にも厳しい視線を送っている。

 また鈴木のスタメン起用を続ける森保一監督の采配に対して、X(旧ツイッター)上でも厳しい意見が。「鈴木をなぜ使うのか」「一旦ベンチに下げた方が良い」「ザイオンのメンタルが心配」という声が挙がっているほか、「アジアカップは鈴木彩艶を育てるための大会ではない」「森保監督は選手育成ではなく、勝ちに行ってほしい」と、勝利への拘りという点で疑問を抱くファン・サポーターもいる。