クレーマー対応は事業課題
医療現場でのクレーマー対策を実施する際、留意すべきポイントについても教えてもらった。
「最初にするべきことは、クレーマー対応をしたスタッフに『つらかった経験』を語ってもらい共有することです。クレーマー対応は誰にとってもストレスです。ですが周囲から積極的に評価されにくいものです。そのため担当者の離職につながりやすくなります。ですから、まずは職場の心理的安全を確保するためにも“語る”という場面を設定することがすべての始まりになります。その上で過去の事例から特に困ったケースをピックアップし、それを基に対処法を検討していきます。重要なのは過去の具体的な事例をベースに組み立てることです。抽象的にマニュアルを作成しても大抵はうまくいきません。クリニックの個別の事例をベースに組み立てるからこそ『使えるマニュアル』になります。
こういったマニュアルはいきなり完成するということはないです。まずは簡単なものでもいいので作成し、随時修正などをしていくという過程が大事です。『こういうときには、こうしよう』とスタッフ同士で話し合いながら、ひとつの形にしていくイメージです。ここで大事なのは、きちんと語り合う時間を、院長がコストを負担して用意するという姿勢です。クリニックは多忙ですから、なかなかゆっくり話す時間を用意できません。クレーマーについての協議は重要であるものの、緊急性がないので後回しになりがちで、忘れられてしまうことも多々あります。それではいつまでも同じことを繰り返すだけです。そうならないためにも『クレーマー対応は事業課題』とするトップの矜持が求められます」(同) (文=佐藤勇馬、協力=島田直行/島田法律事務所代表弁護士)
提供元・Business Journal
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