渡辺剛 写真:Getty Images

 日本代表DF渡辺剛はAFCアジアカップ参戦のため、所属先のベルギー1部KAAヘントから一時離脱。同クラブのハイン・ヴァンハーゼブルック監督は渡辺の代役確保に消極的な姿勢を見せていたが、DF橋岡大樹ら日本人選手を多く擁するシント=トロイデンVV(STVV)から即戦力のセンターバックを獲得することがほぼ確実となった模様。24日、ベルギーメディア『Voetbal』が伝えている。

 渡辺はKVコルトレイク時代の2022/23シーズンからベルギー1部リーグ戦でのフルタイム出場を継続。ヘント加入1年目の今季も、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグやベルギー国内カップ戦も含めて、公式戦全試合でフル出場。不動のセンターバックとして活躍していたが、アジアカップの日本代表招集により、フルタイム出場記録がストップしている。

 日本人センターバックを欠く中、ヴァンハーゼブルック監督は今月15日、ベルギー紙『Het Nieuwsblad』のインタビューに応じた際、守備陣補強の可能性について「移籍ウィンドウでたくさん選手を見てきたが、私の期待に応えられるような選手がいない。渡辺がベルギー1部リーグで最も素晴らしいディフェンダーであるからね。ディフェンダーを獲得すること自体はいつでも可能だが、渡辺の代役になるだけの強力な存在でなければ問題は解決しない」とコメント。1月中にセンターバックを獲得する可能性は低いとみられていた。

 しかしヘントは17日の国内カップ戦でクラブ・ブルッヘ相手に0-1で敗れると、20日のリーグ戦でも1-2と黒星。2試合で3失点を喫しただけに、『De standaard』は「2試合で3失点という結果は、渡辺が守備陣をまとめていたことを裏付けるデータだ」と指摘している。

 そんな中、ヘントは24日までにSTVVからDFマッテ・スメットを獲得することで合意に達したと『Voetbal』が報道。同選手は今季ここまでリーグ戦全21試合フル出場と、センターバックの主力選手として活躍しているだけに、渡辺のライバルとなる見込みだ。

 昨年夏のヘント加入以降、渡辺に絶大な信頼を寄せているヴァンハーゼブルック監督。今月中旬のリーグ戦再開以降、守備陣に綻びが見られるだけに、渡辺の復帰を待てなかった格好だ。