マラリア対策にもドローンが活躍

Image credit:Charis Unmanned Aerial Solutions

アフリカはマラリア発生地域が多く、乳幼児のマラリアによる死亡率も高い。世界のマラリアによる死者の9割超をアフリカが占めているが、このマラリア対策にもドローンが活用されている。ルワンダのスタートアップCharis Unmanned Aerial Solutionsは、ドローンを飛ばして撮影した地理情報を用いてボウフラの繁殖地域を特定し、そこに殺ボウフラ剤を散布している。2020年にルワンダ政府と行ったパイロットでは、8か月でマラリア患者が90%減少したという大きな成果を上げている。

ドローンを使ったマラリア対策は、日本のドローンスタートアップSora Technologyも、シエラレオネやガーナ、セネガル、ベナン、マラウイなどのアフリカで実施している。血液や医薬品の配送といった緊急時の命を守る用途から、アフリカで長く解決が望まれてきたマラリアのような疾病の予防や治安対策まで、ドローンが活躍している。

文: 藤原梓(アフリカビジネスパートナーズ)

参考:
週刊アフリカビジネススヘッドラインニュース639号
週刊アフリカビジネス672号
週刊アフリカビジネス675号
週刊アフリカビジネス677号

≪アフリカビジネスパートナーズ プロフィール≫
https://abp.co.jp/
アフリカビジネスに特化したコンサルティングファーム。2012年設立。ケニアや南アフリカに現地法人を持ち、アフリカ40か国で新規事業立ち上げや事業拡大、スタートアップ投資に関する支援を提供。スタートアップ関連では、日本企業やCVCに対する有望スタートアップの紹介や、出資の際のデューデリジェンスを中立的な立場から提供している。

2022年にはアフリカのスタートアップの調達金額やビジネスモデルを紹介した「スタートアップ白書」を発行。毎週「週刊アフリカビジネス」をメールで配信し、スタートアップの動きを日本語で提供している。