利口に見せるより、ちょっとバカに見せておいた方がいい

東大出身の友人は「学歴のことを言うと、嫌味をいわれたり嫌な顔をする人がいる。聞かれるまで学歴のことは言わないようにしている」といっていました。私は彼の悩みを理解できるつもりです。私は会社員をしている頃、努力して入社したことが嬉しくて吹聴していた時に「あまり調子に乗るな。いつまでも安泰というわけでもないのに」と言われたことがあります。その瞬間はなぜそのような事を言うのか理解できませんでしたが、今ではその意味が分かります。そう、彼は嫉妬していたのです。

私は自慢をしたわけではなく、「何十社も書類選考でダメで、ようやく決まったから嬉しい」というつもりでしたが、こちらの想像もしないような「自慢」に取られてしまったようです。

以降、私は気をつけるようになりました。積極的に成功や利口をひけらかしてプラスになることはありません。招かざる嫉妬により、大変な損害を被るリスクをはらんでしまうだけです。賢さは仕事の成果や顧客の評価で見せてやればいいだけのこと。人にはちょっとバカに見せておくくらいがちょうどいいのです。

文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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