株式会社ユーグレナが製造・販売するバイオ燃料「サステオ」が次世代の燃料として注目を集めています。

植物や藻類から作られるバイオ燃料は、化石燃料(石油など)と同様にCO2は燃焼の際に排出されます。

しかし、原料となる植物が成長過程において光合成を行い大気中のCO2を吸収していることで全体として大気中に含まれるCO2の総量はプラスマイナスゼロ、カーボンニュートラルとなると考えられています。

バイオ燃料サステオとは

サステオは、使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)から抽出されたユーグレナ油脂を原料とするバイオ燃料です。それぞれの割合は、食用油が90%以上、ユーグレナ油脂は10%以下です。

バイオ燃料の登場当初はサトウキビを原料とするものだったため、食料としての需要があるため、原料確保の際に競合することや、森林破壊といった問題を抱えていました。

サステオは廃油とミドリムシという持続可能性に優れた原料を使用しているため、バイオ燃料の課題を解決した、サステナブルなバイオ燃料といえます。

なお、使用済みの食用油は世界中で廃棄物として排出されていますが、今後はSAF(持続可能な航空燃料の意味。くわしくはこちら)などバイオ燃料の原料としての需要増が見込まれています。

そのため、ユーグレナ株式会社は、ユーグレナ(ミドリムシ)油脂培養の技術開発にも注力しているといいます。

サステオの導入事例

サステオはバイオディーゼル燃料を2020年に、バイオジェット燃料を2021年に供給し始めており、車両や船舶、航空機で利用されています。

サステオのバイオディーゼル燃料は、化石燃料由来の軽油と同等の性質を持っているため、ディーゼルエンジン車両をそのまま使うことができます。

シナネンホールディングス株式会社などが導入しており、同社の物流子会社であるシナジートランスポートでは、サステオを使用することで、燃料輸送車の年間CO2排出量を実質ゼロにすることに取り組んでいます。

<参照>

ユーグレナ社のバイオ燃料「サステオ」

シナネン物流子会社の自社燃料輸送車の年間CO2排出量約566トンを実質ゼロへ