日本では現在、高齢者の孤独死が深刻な社会問題となっている。特に賃貸住宅では、室内で高齢者が死亡することを懸念する家主が多い。しかし、国内における空室率が高まっている近年、高齢者の入居を拒否すれば、家主にとって空室リスクが上昇する。こうした現状を解決するため、ライフサポート企業「ホームネット」は、単身高齢者が入居中の部屋に週2回の安否確認を行い、入居者死亡時には費用補償を行う「見まもっTELプラス」というサービスを提供する。全国での導入件数は800件を誇り、高齢者入居に伴うリスクの提言と高齢化社会における空室対策の先駆的な取り組みとして注目されている。

 高齢者の孤独死は、高齢化が進む他の国々でも問題となっている。そんな孤独死問題のリアルを、インドネシアのメディア「Liputan6.com」から紹介しよう。

 2018年1月28日、インドネシア中部ジャワ州ムンキッドにある住宅で、老夫婦の遺体が発見された。死亡したのは、スカルジョさん(70)と夫のスタリさん(60)。腐乱した2人の遺体は悲惨極まりない。スカルジョさんはベッドの上に仰向けの状態で死んでいた。皮膚は黒く変色していて、その上に見える白い粒々はウジ虫であろう。一方、スタリさんは椅子に腰かけた姿勢のまま、真っ黒くなって固まっている。足元には腐敗液が広がる。スタリさんは何年も前に脳卒中を患い、全身に麻痺が残って動けなかったという。調査によると、2人とも死後2~3週間経過しており、スタリさんが先に死亡して、その後スカルジョさんが死亡したとみられている。

 遺体を発見したのは、夫婦の家を訪れた義理の娘だった。隣人は彼女に悪臭がすることを伝えた。彼女は家の中から誰も出てこないことを確認した後、夫婦の安否を心配して、隣人にドアを破壊してほしいと頼んだ。彼女たちが家の中に足を踏み入れると、そこには夫婦の腐乱死体があったのだ。

 夫婦には4人の息子がいたが、隣人はその息子たちの住所を知らず、夫婦の異常を知らせることすらできなかったという。結婚して夫婦のもとを離れた息子たちは、自分の両親がどうなっているかすら気にかけず、放置していたのだろう。

 同様の死亡事故は世界各地で発生している。少子高齢化が進む日本では、こうした問題を解決するために「見まもっTELプラス」のようなサービスも本格的に導入されつつある。日本での成功事例が海外にも発信されて、高齢者の孤独死が世界中から撲滅されることを願うばかりだ。
(文=標葉実則)

参考:「Liputan6.com」、ほか

※当記事は2019年3月の記事を再掲しています。

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提供元・TOCANA

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