失速してしまったブランドの特徴は?

5大ブランドのうち残りの3つについて、「日本向けのマーケティングが弱かった傾向にあるのでは」と梅村氏は分析する。

「『CoCo都可』と『Chatime』は、低価格で大ボリュームというコスパの良さが魅力でした。どちらも台湾発祥のブランドですが、本国ではラフでカジュアルな接客スタイル。そのため、上質な接客よりも安さを重視する中高生から圧倒的な支持を集めていました。ところが、若い世代のトレンドが移り変わってしまい、客離れが始まると他の世代を取り込めずに勢いを失います。コンビニなどでも接客の質を重んじる日本において、『CoCo都可』と『Chatime』のカジュアルスタイルはフィッティングが悪く、閉店する店舗が増えていったのかもしれません」(同)

とはいえ、台湾をはじめとする海外では、「CoCo都可」は4000店以上、「Chatime」は1000店以上を展開している。あくまで「日本」での展開に苦戦しただけだ。

「THE ALLEY」も、ブーム時は1時間近く行列に並ぶことも珍しくない超人気チェーンだったが、渋谷道玄坂にあった旗艦店をはじめ、閉店する店舗が目立っている。

「『THE ALLEY』も『Gong cha』と『春水堂』同様に“お茶の専門店”ですが、2ブランドと比べて日本に上陸するのが遅く、すでにブームとなった渦中にオープンが続いたことで “タピオカ専門店”として世間に認知されてしまいました。上陸当時はメニューの表記もタピオカを全面に押し出していたことも、現在の印象につながっていると思います」(同)

ブームが落ち着いた今、“タピオカ専門店”というイメージが拭いきれないと、「あの店に行くと、どの飲み物にもタピオカが入っている」という固定観念にとらわれてしまい、敬遠されてしまうのだ。

「そもそもタピオカは、あくまでトッピングのひとつで、いわば脇役。それが第3次ブームでは主演スターのような扱いを受けてしまったのです。専門店とはいえ、必ずタピオカを入れる必要はないと理解していただければ、タピオカは本来の“バイプレイヤー”のポジションに戻れると思います」(同)

タピオカは廃れたわけではない。あるべき姿に戻り、日本に定着しただけともいえる。粗悪店が淘汰された今、残っている店の味は総じてレベルが高く、タピオカをトッピングしても、お茶だけを楽しんでも、ナタデココなどを入れてもいい。楽しみ方は自由なのだ。

かつては行列ができていた人気店に今こそ足を運んでみて、本来のお茶文化を楽しんでみてはいかがだろうか。

提供元・Business Journal

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