GM車を中心としたアメ車が大好きな施主のガレージは、クルマ関連のサインボードなどが壁一面に飾られた、ホビーショップのような空間
閑静な住宅街の角地に、「住宅設計建築会社SH-Space」を経営する柿澤氏のガレージハウスはある。ガレージ側が黒の金属サイディング、奥側は白い塗り壁というコンビネーションカラーの、おしゃれな外装。モダンでミッドセンチュリーな装いの建物はおよそ4年前に建てられた。オーナー柿澤氏は、地元で設計建築会社を経営する社長でもあり、大のアメ車ファンだ。
カマロは通勤に、そしてレジャーで使うSUV「キャデラック・エスカレード」の2台を所有し、それぞれがインナーガレージと屋外の駐車スペースに収まっている。その屋外の駐車スペースに面する建物の立ち上がり基礎部分は、ガレージ面にかけて最近モルタル造形で岩のデザインを施したという。
ガレージ内に配置されたインテリア、壁はアメ車、特にGM系の大きなバナー広告などが貼られ、床にはダルトン製のソファーや収納ラックなどコンパクトにまとまってデイスプレイされている。昔やっていた波乗りを最近始めたこともあり、サーフボード置き場も増やしたとのこと。そしてもう一つの趣味は、ミニカーの収集。しかも集める対象がスケール18分の1と少し大きめのサイズ。
それらのコレクションはガレージ内に併設する個室を設け、ミニカーショップのように仕立てたマニアックな空間となっている。ガレージの内装にもこだわりがあり、壁面の仕様がそれぞれ異なるサイディング仕上げが特徴的。ミニカールームの出入口がある壁面は、明るめの木製扉とレンガ調のサイディングがマッチして、英国風の景観に見える。ガレージの中に方やアメリカンポップな雰囲気と対照的な片側を見せる連なりは、まるでテーマパークに居るようで、おもしろい演出だと思う。
住宅をプロデュースする立場にある柿澤氏が最も重要と考えているのが、お客様とのコミュニケーション。家づくりはそこに暮らす家族のライフスタイルに合わせた提案が必要で、特に注文建築となると打ち合わせに長い時間をかけてとことん話し合うことにしているそうだ。
柿澤氏も子供二人を育てる4人家族。奥様はハリウッド映画の大ファンということで、3階には映画のポスターも展示されていた。ご夫婦ともにアメリカン・カルチャーが好きという共通の価値観を持っている。家を建てるときには、キッチン周りと玄関の収納スペースや壁のデザインには、ご主人以上にこだわったと話していた。
3階へ行くと、そこはまた違う表情を見せてくれる。柿澤氏の書斎や子ども部屋、そしてランドリールームまであり、吹き抜けのリビングを囲むように、それぞれの部屋が廊下を周回して配置されている。ガレージ同様、それぞれのコーナーや部屋の壁や扉の色が異なり、また天井と床のデザインも各階違うため、空間の広がりがとても楽しくワクワク感が止まらない。
インテリアもミッドセンチュリーなアイテムやアンティークなTOY、そして絵画や洋書などもディスプレイのように置いてあり、手にとってついつい見入ってしまった。記者も真似したくなるようなポイントやヒントになるところが多くあり、とても勉強になる取材だった。最後に失敗談を尋ねたところ、「この家づくりで失敗したところは見当たらない」と答えておられたのが印象的だった。
◆Planning Data
施 主:柿澤哲次さん
家 族:ご夫婦、長男、次男
所在地:埼玉県狭山市
竣 工:2019年12月
敷地面積:109.30平米
延床面積:153.18平米
ガレージ部面積:23.18平米
構 造:木造在来工法
外装仕上げ:金属サイディング、ぬり壁
内装仕上げ:ペイントクロス、タイルなど
愛 車:2009年式 キャデラック・エスカレード
2012年式 シボレー・カマロ
◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
ガレージに隣接したホビースペース
・ちょっと失敗
無いです。
・これからの夢
70年代のキャデラックを購入したい。サーフ仕様のガレージハウスを建てたいです。
・読者へのアドバイス
自分たちのこだわりをしっかり伝え、それを形にしてくれることが大事。予算に合わせた案を導いてもらえる工務店を選びましょう。
◆Comment from a Builder:株式会社SH-Space 柿澤哲次さん
当社は埼玉西部・東京を中心に注文住宅の設計施工を行う建築会社で、これまでに多くのガレージやホビーハウスの施工実績があります。施主様との交流をとても大切にしているので、建築後のアフターもお付き合いが続くのが我が社の特徴でもあります。
私自身とてもマニアックな性格なので、趣味を持たれる方の家づくりにはとことん時間を使って実現に導ける対応をさせていただきます。こちらの地域で興味のある方は是非お越しください。
設計:株式会社SH-Space 埼玉県狭山市南入曽558-9
Phone:04-2902-6070 sh-space.jp/
photo / Dan KOMATSU(小松 男) text / Kenichi TAKAYABU(高薮乾一)
文・ガレージライフ編集部/提供元・CARSMEET WEB
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