脳活動から統合失調症を直接みつけられる
今回の研究により、統合失調症患者の意味ネットワークの特徴が明らかになりました。
統合失調症患者の脳内では言葉を結びつける意味ネットワークがランダム化すると共に、スモールワールド性が低下しており、異常な概念の結びつきや思考の一貫性のなさなど、統合失調症にみられる諸症状を反映している可能性があります。
研究者たちは研究成果を応用することで、統合失調症の診断や治療に新たな方法を提供できると述べています。
これまでの精神医療の現場における診断は主に、医師が患者と対話することで、患者の精神状態の判断が行われていました。
しかし新たな研究では脳活動から統合失調症を評価可能になっており、統合失調症の重症度や治療効果の測定を客観的なネットワーク分析で調べることができるようになります。
さらに研究者たちは、意味ネットワークの分析対象を並外れた能力を持つ人々に広げることで、優れた才能や創造性の源泉となるネットワーク構造を見極められるようになると述べています。
参考文献
統合失調症の脳における「意味関係の乱れ」を発見 — AI技術の応用により脳活動から思考障害のメカニズムに迫る —
元論文
Disorganization of Semantic Brain Networks in Schizophrenia Revealed by fMRI
提供元・ナゾロジー
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