来たる2月17日(土)から5月6日(月・振休)までの期間、世界各地で反響を呼んだ国際展「須藤玲子:NUNOの布づくり」が、茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催される。
今回は新たに、水戸藩ゆかりの“水戸黒”を用いた「こいのぼり」や、美術館のシンボルタワーをモチーフとした新作テキスタイルも登場する。
香港からヨーロッパ、そして日本へ
茨城県石岡市に生まれた須藤氏は、1983年にテキスタイルデザインスタジオ「NUNO」の設立に参加して以来、デザインディレクターとして創造性と実用性に富んだテキスタイルを制作。
その作品は、ニューヨーク近代美術館やメトロポリタン美術館に収蔵されるなど、国内外で高く評価されている。
そして、ゆかりの地である茨城県で開催する同展は、もともとは2019年に香港の「CHAT(Centre for Heritage,Arts and Textile)」で企画・開催され、その後イングランド、スコットランド、スイス巡回を経て、国内では「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」にて開催されたというグローバルな展覧会だ。
テキスタイルが“出来るまで”も見どころ
同展の見どころは、完成したテキスタイルにとどまらず、テキスタイルが“出来るまで”を公開している点にもある。
アイデアの着想源から原材料、ドローイング、製作サンプル、協働する工場や職人との試行錯誤や生産の過程まで、普段は見ることのできない制作の舞台裏は、アートな感性をさらにくすぐるはずだ。
色とりどりのテキスタイルが大空間を泳ぐ
須藤氏の代表作のひとつ「こいのぼり」は、大空間を泳ぐ色とりどりのNUNOオリジナルテキスタイルを用いたインスタレーションとして、世界各地で人々を魅了。
同展ではさらに、水戸藩に由来する染色技法“水戸黒”の再生に取り組む水戸市内の職人とともに、特別なこいのぼりの制作にも取り組んだという。
また、水戸の街で特別な存在感を放つ、「磯崎新設計」が手掛けた美術館のシンボルタワーをモチーフとした新作テキスタイルも初公開される。
その他、須藤氏の40年にわたる布づくりに迫った書籍『須藤玲子:NUNOの布づくり』がすでに販売中だ。展覧会に出向く前に、NUNOのテキスタイルを貼り込んだ、美しいビジュアルブックを本棚に追加するのも悪くないだろう。
須藤玲子:NUNOの布づくり
会期:2月17日(土)~5月6日(月・振休)
開場時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー、広場
所在地:茨城県水戸市五軒町1-6-8
アクセス:常磐自動車道「水戸IC」から約20分
入場料:900円(税込)
(zlatan)